女のお酒

あなた追いかけ 降り立つ駅は
しぐれも泣いてる 北の町
「おじさん お酒は熱くして…」
身体(からだ)じゃないの 心が寒い
逢ってどうなる ものではないが
せめて聞きたい 雨の夜

いつかふたりで 来ようと言った
あなたの故郷 遠かった
「おじさん おかわりお願いね…」
思い出よりも 明日が寒い
夢に背を向け 私を捨てて
何も言わずに 消えたから

何故かあなたの 気持ちが少し
解った気がする 情け町
「おじさん やさしさありがとう…」
都会に馴れた 女が寒い
宿泊(やど)の心配 うれしいけれど
いいの逢わずに 帰るのよ
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