おんなは灯り

くちびる ため息 おんなの匂い
指先 手さぐり おまえの温(ぬく)み
夢でみたみた おまえの胸に
旅の淋しさ 埋ずめに行こう
おれが船なら おまえは港
いのち いのち いのち みたいな
灯りがみえる

えりあし ほつれ毛 おんなの背中
別れの 思い出 おんなの涙
流れ流れて 生きては来たが
旅の寒さが 骨身にしみる
おれの昔を 許してほしい
そこに そこに そこに いてくれ
灯りのように

涙はりつく おまえの貌(かお)に
浮かぶ苦労を ぬぐいに行こう
おれが風なら おまえは故郷(こきょう)
消すな 消すな 消すな あしたの
灯りをひとつ
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