かすりの女と背広の男

かすりの女(むすめ)と 背広の男
指切りしていた 別れの港
小島の鴎も 椿の花も
見て見ぬふりした その涙

都と小島に 三年過ぎた
泣き泣きかすりは お嫁に行った
来なけりゃいいのに 背広の男
今ごろひょっこり やって来た

浮世(うきよ)の常さと 汽笛が鳴った
諦(あきら)めなされと 南(みなみ)風が吹いた
どうなることかと 世間は騒ぎ
かすりと背広は また涙
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