ひなげし小唄

赤いひなげし 咲いたとて
花の咲かない この私
ここはこの世の 行きどまり
弱い女の 泣くところ

知らぬ他国に 降る雨は
なぜか心に 沁みるもの
まして日暮れは なおさらに
遠いふるさと 恋しくて

風よ伝えて 父さんに
雲よ伝えて 母さんに
どうかお体 大切に
帰るその日を 待っててと

赤いひなげし 咲くように
いつか花咲く ときが来る
望み捨てずに 待ちましょう
明日の幸せ 呼びながら
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