short story

冷めた時間に浮かぶ二人
隣の会話 聞き耳たて
読みかけの本を閉じたら
不意に わざとらしく溜息一つ

今日あなたは 突然 物語を終わらせる
残された私は ただ 泣くしかなかった

冷めた時間を切り裂く声
心臓に落ちた霹靂だわ
月曜のドラマみたいな
やけにわざとらしい最後の言葉

「栞挟むだけだ」と 続く台詞を待っている
残された恋 もう 行き場もなくピリオド

思い出は続く それもいいけど
- 涙 浮かべても -
これからも続く 胸の奥で
- 涙 隠しても -

時に 凍る傷は愛しい刹那

今日あなたは 突然 物語を終わらせる
閉ざされた恋 もう 断ち切るしかないのね
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