飛車角太鼓

義理の二文字 袂に入れて
人情着流し 男の命
時に流れに 背きはせぬが
三州三河(さんしゅうみかわ)の 水鏡(みずかがみ)
昔恋しい なつかしい

三河大皷(みかわだいこ)は 男の意気地
浜の松風 ふところに
空の満月 道連れに
ぬいだ片肌 花が散る

切れた糸なら つなげもするが
無理に結べば しこりが残る
女なみだと 男のこころ
しょせん泥絵の 違い棚
背中合わせじゃ 夢はない

勝つも負けるも 虚しいものよ
どうせ人生 縁台将棋
仁吉ゆずりの 
飛車角大皷(ひしゃかくだいこ)
音〆め区切は きっちりと
つけて男は 咲いて散る
×