十三湖の雪うた

十三(とさ)の砂山 荒潮風(あらしおかぜ)に
蜆掻(しじみか)く手の 血が凍る

鴉(からす)とぶなよ 十三鴉(じゅうさんがらす)
おまえ帰れば 雪ばかり
倭武多(ねぶた)恋しい 鈴の音あふれて
夏の日盛(ひざか)り 夜もなく

競馬ポマード 髪塗(かみぬ)りかため
何処(どこ)へ去(い)ったか あの人は

十三(とさ)の砂山ナ ヤェ
米ならよかろナ 西の弁財衆(べんざいしゅう)にゃエ
只積(ただつ)みましょ 只積みましょ

雪よなぶるな 雄(お)たけび喚(あ)げて
雪よ走るな 荒(あら)ぶれて
十三(とさ)の砂山 津軽の雪を
日がな一冬(ひとふゆ) 浜に撒(ま)く
×