盛り場流れ唄

夜の中洲は 思い出ばかり
恋もしました 泣きました
花を散らした この街で
別れた人の いとしさが
心濡らして つのります

夜の新地は 情の花が
雨に打たれて 散ってゆく
酔って紛らす この背(せな)に
昔の演歌(うた)が 聞こえます
強がり女の しのび泣き

夜の栄は 涙の雨が
遠い思い出 流します
今夜限りの 優しさを
嘘と知りつゝ 許したの
馬鹿な女の 深情

夜のすゝきの 灯(あかり)が点りゃ
女心が うずきます
今度こそはと 夢を見て
今日もあなたの 一夜妻
夜の化粧の 裏で泣く
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