Selva

あこがれはそっと妬みに染まる
僕ら あまりに遠すぎる

僕は視線をずっと逸らせずにいる
岸辺に舞う君を見ている

そよぐ水際をすれすれに飛んでゆく
その幻がギラギラと波に浮かぶ
すくったとしても すぐにこぼれてしまうだろう

声上げ 響かせ 君まで 震わせ

その羽は夏を透かしている
褐色が陽射しを吸い込む

深い森の奥へ君が消えていく
湿る肌 スコールが来る

地を這う僕はふらふらと影を追う
君は風をもひらひらと越えてゆく
纏わりつく汗は まるで溶け始めた蝋

音を立て 降る雨 全てを 流して

声上げ 響かせ 君まで 震わせ
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