ナザレの舟唄

女はみんな黒を着て
浜で網をつくろう
寄せる波の荒さよ
晴れた空の眩(まぶ)しさよ
天までとどけ ナザレの舟唄
天までとどけ 舟唄
波の中から戻るあんたを
十年待つよ わたしの心

女が後家(ごけ)と思うなら
とうに浜を捨てるよ
焦(こ)げて匂う鰯よ
赤い酒の美味(おい)しさよ
天までとどけ ナザレの舟唄
天までとどけ 舟唄
波を拍子に歌うあんたを
覚えているよ わたしの心

女は時に石を蹴り
神を呪い 踊るよ
風がなぶる黒髪
灼けた肌の悲しさよ
天までとどけ ナザレの舟唄
天までとどけ 舟唄
濡れた体で走るあんたを
抱く気でいるよ わたしの心
抱く気でいるよ わたしの心
×