夢一天

涙ひとつぶ ふところに
花を横目に 廻り道
義理もすたれた 人情も枯れた
春は盛りと 言うものを
今のご時世 寒すぎる

酒は一気に 干せるのに
恋の盃 なぜ干せぬ
意地は挺子でも 曲げない俺が
渡すつもりの ひと言を
抱いて思案の 戻り橋

時の流れに 棹させば
針のつぶてが はね返る
それが世間さ 世間の裏で
明日の灯りを この胸に
生きる男の 夢ひとつ
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