男の祈り

昔気質の 気難し屋も
ひとり芝居じゃ 意地さえはれぬ
苦労ばかりの 生涯を閉じた
おまえがいとしい 懐しい
今日も手酌の 迷い酒
涙もろとも 流し込む

愚痴のひとつも こぼしもせずに
俺を支えて 四十と余年
涙ばかりの 一生を終えた
女の舞台の 役まわり
せめて会いたや 夢まくら
夜の長さが 身にしみる

川のながれを せき止めたとて
人の運命は この手に負えぬ
辿りつきたい おまえのもとに
魂を重ねて 眠るため
俺はしばらく 此処に居る
風に吹かれて 此処にいる
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