センチメンタル・ゲイ・ブルース

あたしが男を知ったのは
おんなを知った日から まだ3日目の夜
場末の酒場で むせていた あたしを介抱してくれた GIジョー
熱い嵐が身体を走り 気づいたところは安ホテル
小ちゃな窓のガラス越しに 路面電車の青い火花が散った
ラーララララー ラーララララー

あたしが男を愛したのは
女に絶望した日から まだ間もない頃
男と男が部屋を借りて それからしばらくは幸せだった
ある晩ジョーは大酒飲んで 手当たり次第に あたりをぶち壊す
その日が来たのね あたしのいい人に 真っ黒な頬に 大粒の涙
ルールルルルー ルールルルルー

あたしが街に立ったのは
ベトナムが終わってから しばらく過ぎた頃
寂しさまぎらす化粧もいつか ルージュをひく手つきも 女を越えた
あたしに弱みがあるなら それは 化粧を浮かせるひげの剃りあと
毎日3時になると 風呂屋に行って すね毛を剃るのが その日の始まり
ラーララララー ラーララララー

あたしに声をかけたのは
今夜はあんたが最初の男
一本貰うわね ハッカたばこ つまらぬ話を終わらすために
それよりあんたは普通の男 それともあたしのいい人なの
今夜もたたずむ街角に 夜風がしみるよ
センチメンタル・ゲイ・ブルース
今夜もたたずむ街角に 夜風がしみるよ
センチメンタル・ゲイ・ブルース
ルールルルルー ルールルルルー
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