涙 滲むのは心の本音です.

 2024年4月17日に“bokula.”がMajor 1st EP『涙 滲むのは心の本音です.』をリリースしました。今作には昨年12月にメジャーデビュー曲として発表されたバラード曲「最愛のゆくえ.」や、人間関係の複雑さや依存に焦点を当てたロックチューン「涙ばっかのヒロインさん」など全6曲を収録。そのうち「高鳴り」はCDのみに収録されます。
 
 さて、今日のうたではそんな“bokula.”のえい(Gt./Vo.)による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、今作『涙 滲むのは心の本音です.』に通ずるお話です。どうして曲を書くのか。自分のなかの何が曲を求めるのか…。心の制御で本音を堪えてばかりのあなたへ。ぜひ今作と併せて、エッセイを受け取ってください。



涙は、流れない。
 
心の制御で本音を堪えるばかり
だが、滲んだ。
 
人には言えない有耶無耶があって
自分しか分かってくれない問題がある
もしも心を抑える必要がなかったら
人は人と向き合い続けられるでしょうか。
 
感情起爆剤はオーバードライブを介して
サウンドの中にエンコード済
 
涙は、流れない。
 
心の制御で本音を堪えるばかり
だから、滲んだ。
 
ーーーー
 
僕等の持ってるエネルギーは音を介して
時に微力に、時に莫大な可能性を秘める瞬間があって、求める声があるからこそ今日も今日とて机上にありつく。
 
誰かが求めてくれるから曲を書いて音楽をするんじゃあない。
自分自身が求めてるから曲を書いては誰かが見つけ、求めてくれるのだ。
 
僻みや卑屈ばかりが溢れる世界の傍、
哀愁と愛執が咽び泣いている。
本当は、心の内は、涙の本音は、
人と人だから“分かり合う”事よりも
“分かち合おう”とする事の方が自然体である気がしている。
その中に1つ、カテゴライズされた『音楽』は
本音だからこそ言えず、表せない表現を
聴覚上発信する古来からのソーシャルメディアではないかと考える。
 
感情の起伏(喜怒哀楽)に必要なキッカケと要因は意外にも複雑にはならない事が多い。
気持ちの持ち用なんて結局は気持ち次第である
心を惑わしてしまえばどうって事ない“メロディが誤魔化すノイズ”だ。
 
悲しい時は泣いていたい。
嬉しい時は笑っていたい。
 
こんなにも単純で複雑な僕らはもっと弱くていい。打たれたらあっけなく倒れてしまう様な、そのくらい柔らかい感性を種は種であるが為に、あるがまま。ありのまま。
 
これくらいに複雑に長尺に書き連ねたエッセイも取り留めのない言葉の綾も、音楽も同じくらいに単純で良い。素直で愚直で良い。
 
ただ、
 
原動力を欲した合図は
時に音楽が必要だ。
 
心の本音は、涙より透明で意外にも柔軟だ。
 
<bokula. えい>


◆Major 1st EP『涙 滲むのは心の本音です.』
2024年4月17日発売
 
<収録曲>
01. 涙ばっかのヒロインさん
02. 怪火
03. 不完ロマンス
04. いつ失ってもいいように.
05. 最愛のゆくえ.
06. 高鳴り(ボーナストラック / CDのみ)