ただ真っ直ぐに自分で生きていけばいい。

 2023年2月15日に“家入レオ”が4年ぶりのニューアルバム『Naked』をリリースしました。2022年に配信リリースされた「レモンソーダ」「Pain」「かわいい人」の他、新曲を含む全12曲が収録。全収録曲のソングライティングに家入本人が携わっております。
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“家入レオ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回が最終回です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「I don't like you」にまつわるお話。年齢を重ねるにつれ、景色に変化が訪れだした今、感じること、想うことは…。さらに、今回も第1弾・第2弾に引き続き“音声版”がございます。家入レオの言葉を本人の朗読でもお楽しみください。


家入レオの朗読を聞く

20代後半。28になり、30という年齢も視野に入りはじめた最近。見慣れた景色に変化が訪れだした。
 
これまで地元福岡では早くに結婚しお母さんになった同級生もいることはいたけれど、どちらかと言えば少数派で。風の噂で聞くその子たちの様子も何処か現実味に欠けており、同じ制服を着ていたかつてのクラスメイトがミルクをあげている姿を上手く想像することができずにいたあの頃は、瞬く間に過ぎた。結婚、出産の報告も急激に増え、「久しぶりにご飯でも食べる?」と連絡を取り合い、先に待ち合わせ場所に着いていた友達2人が抱っこ紐をして娘を連れている姿は考えるものがあった。
 
そうか、28ってこういう現実もあり得るんだ、と遠いようでいて、近くて、近いようでいて、遠い。不思議な心地。だけどもう怖くない。私はアルバム『Naked』を作りながら私の道を選んだから。そして、そこで見えた答えがあって、その答えを更新していく為の「未来」がある。生きていけば良いんだ、思い切り。自分の人生を。
 
「I don't like you」は幸せの価値観について歌った1曲。
「今彼氏いるの?」「結婚してるの?」って質問にいいえで答えると、相手が少し気まずそうにする or 謎の明るい励ましが返ってくるあの感じ。気持ちは理解できるんだけど、同時にどうして? と疑問に思ったところから曲の構想が生まれた。
 
勿論恋愛も楽しいし、最高だけど、楽しくて最高なものは他にもある! 仕事に趣味、友達、ひとりの時間。幸せを感じる瞬間は人それぞれ。社会の声や他人の視線に押されなくて良い。自分の幸せを選ぶ権利が誰にでもある。
 
「恋愛がすべてじゃないでしょう」というサビの歌詞は、私はこう思う!と言い切っている訳ではなくて、この曲がディスカッションをするきっかけになればいいな、の願いを込めた。私はこれをしている時が幸せ!私はこれ!と話しているうちに、「常識がすべてじゃない」ことが分かってくる。だって人それぞれ幸せも常識も違うから。
 
自分の正しい、を相手に押し付けないこと。だからこそ、相手から自分の正しい、を否定された時も、ただ真っ直ぐに自分で生きていけばいい。そういうテーマを湿度なくカラッと歌いたいと思ってのバンドサウンド。私が裸の心で紡ぎ歌ったニューアルバム『Naked』。ライブで歌うのを楽しみにしてる。
 
<家入レオ>



◆紹介曲「I don't like you
作詞:家入レオ・Kanata Okajima
作曲:久保田真悟(Jazzin'park)・栗原暁(Jazzin'park)

◆7th Album『Naked』
2023年2月15日発売
【初回限定盤A:CD +DVD】 VIZL-2146 ¥5,500(税込)
【初回限定盤B:CD+DVD】 VIZL-2147 ¥4,620(税込)
【通常盤:CD】 VICL-65773 ¥3,300(税込)
【ビクターオンラインストア限定盤:CD】 NZS-905 ¥4,180(税込) 
 
<収録曲>
1. Winter
2. 悩みたいだけ
3. レモンソーダ
4. I don't like you
5. 奇跡が足りない
6. 嘘つき
7. Pain
8. Hikari
9. 愛は鎖じゃない
10. 君に未練はないけど、恋に未練がある
11. かわいい人
12. Boyfriend

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