知らないふり、見えないふり、気づかないふり

代わり映えのしない道
いつものように猫背で駅へと向かう
月曜日の朝は街にリセットしきれない気持ちが泳いでいた
「ミスターカイト」/スキマスイッチ

 スキマスイッチが2017年9月13日にニューシングル『ミスターカイト/リチェルカ』をリリースします。歌ネットでは、発売に先がけて8月1日から「ミスターカイト」の歌詞先行公開スタート!スキマスイッチのTwitter公式アカウントでは【ハッシュタグをつけて好きなフレーズをつぶやこう】という企画も行われております。そして歌詞解禁直後から、ファンの方々がお気に入りのフレーズを続々とツイート拡散し、デイリーランキング初登場3位も記録しました!今日のうたコラムでは、早速その新曲「ミスターカイト」をご紹介。

混み合った車両は鬩ぎ合っていて
隣の人の香水の匂いに嫌気がさした
もう一方では足を踏まれた人が騒いでいる
巻き込まれないようにと吊り革を見つめた

知らないふり 見えないふり 気づかないふり

出る杭は打たれるという
そのバイブル通りそっと身を潜め暮らす日々
幼い頃からそうさ「もういいかい?」って聞かれて
「まだだよ」って隠れていた
「ミスターカイト」/スキマスイッチ

 まず、タイトルの“カイト”とは“凧(たこ)”のこと。風の力を利用して糸で引き、高く空へとあげるアレですね!それを擬人化したものが「ミスターカイト」なのでしょう。でも、歌詞冒頭のカイトは地面すれすれの低空飛行…。毎日毎日、代わり映えのしない道を、代わり映えのしない猫背で歩いて、電車に乗る。そして、いつでもどこでも面倒にだけは巻き込まれないように<知らないふり 見えないふり 気づかないふり>をして目立たず暮らしているのです。
 
 もし、それで自分が心から「生きやすい、幸せだ」と思うのなら、そんな生き方もまたその人にとっての正解なのでしょう。ただ、この歌の主人公から伝わってくるのは、鬱々とした気持ち、苛立ち、空しさです。また<「もういいかい?」って聞かれて 「まだだよ」って隠れていた>ということは、勝負さえ始まっていないということ。何より、それを自覚してモヤモヤしているところから、“変わりたい”という想いを感じます。他人事ではなく、思わず「わかるなぁ…」とため息が出そうになりますよね…。

悔しさなんて今更抱かない
自分の限界くらいは当にわかってるつもり
流れていく景色を覗き込む度
頭の奥で誰かの声がする
「ミスターカイト」/スキマスイッチ

 しかし!このフレーズの直後、今にも地面に落ちてしまいそうなカイトの心の糸をグッと引く<誰かの声>が待ち受けているんです。その部分はコラム内ではあえて省略いたしますので、是非、歌詞の全文を読んでみてください。“声”は歌詞の「 」内に込められております。次々と舞い込んでくる力強い“声”に、カイトがフワリと浮かぶような感覚を味わえるかもしれません…!そうして「ミスターカイト」は次のようなラストを迎えます。

頭の奥の方から
「もういいかい?」って僕に尋ねる声
僕は胸の中で「もういいよ!」って強い眼差しで、答えた
「ミスターカイト」/スキマスイッチ

 <誰かの声>によって“僕”は「まだだよ」から「もういいよ!」と<強い眼差しで>答えることができる自分へと変わったのです。やっと勝負の一歩を踏み出したのです。一体、彼はどんな声を聴いたのでしょうか…。尚、Twitterで【#ミスターカイト】を検索すると、皆さんがそれぞれどのような理由でそのフレーズに胸を打たれたのかがわかって面白いので、コチラもチェックしてみてはいかがでしょうか!

◆「ミスターカイト / リチェルカ」
2017年9月13日発売
通常盤 UMCA-50054 ¥1,200(税別)
初回限定盤 UMCA-59054 ¥1,800(税別)

<収録曲>
M1 ミスターカイト
M2 リチェルカ
M3 さよならエスケープ
M4 ココロシティ