検索ワード

検索対象

  • アーティスト
  • 楽曲
  • 歌詞

検索条件

  • を含む
  • から始まる
  • と完全一致

CLOSE

MENU

今日のうた

ハルカトミユキ

気持ち悪い、だけど言えない、変なのは自分だって言い聞かす。

 女性二人組バンド“ハルカトミユキ”が、2017年6月28日に3rdアルバム『溜息の断面図』をリリース!発売日から3日間に渡り、レコ発ツーマンライブを開催しました。そして、最終日であるSHIBUYA QUATTRO公演では、「言葉だけはパンクでいたい」という胸の内を語っていたボーカル・ハルカ。今作の歌詞は、まさにそんな荒々しいエネルギーに満ちているんです。今日のうたコラムでは、そのアルバム収録曲の中から、とくに激しい“怒り”を象徴したナンバーをご紹介いたします。

冷めた表情 鈍る感情
錆びた街灯に虫が群がる
薄暗い道の先に
崖があっても誰も気が付けない

何かおかしいと思ってたけど
戻れない
「終わりの始まり」/ハルカトミユキ

 地鳴りのようなベースと、不穏なフレーズで幕を開ける曲。死にかけの心で生きている現代の人間たちが、先に待ち受けている“終わり”に気づかず、無表情で歩いてゆく様子が見えてきそう…。また、人間が作った街灯は錆び、そこへただ本能のままに“光”を求めて集まる虫たち。なんだかその生命の方が、よほど希望的で健全に思えてきますね。「終わりの始まり」では、ここからさらに“何かおかしい”世界の中で人々が押し殺している感情が溢れ出してゆくのです。

“自分よりも苦しい人に
苦しいなんてとても言えないよ“

“正直者が馬鹿を見る
それならいっそ先に裏切ろう“

“揚げ足とるたびに穢れてく
だけど壊れそうで仕方がない“

“大丈夫、頑張れよ
我慢比べで世界を回して
その結果 どうなった“

“考えない方が平和
諦めることだけが上手くなる
気持ち悪い だけど言えない
変なのは自分だって言い聞かす“

 押し寄せてくる、さまざまな悲しみ、苦しみ、痛み、怒り…。これらは、大勢の匿名者たちの声であるようにも感じます。みなさんも、これまで“何かおかしい”という感覚を抱いたこと、ありませんか? でも、多くの方が<だけど言えない 変なのは自分だって言い聞かす>…そうやって見ないふりして、毎日を生き過ごしてしまうのでしょう。何故なら、現代は<何かおかしい>と口にした人自身が<何かおかしい>と言われてしまうような世の中だから…。結局“標的”にならないためには、何もしないのが一番だから…。

限界だ全部
殺されてしまったみんな
麻酔が効いちゃって
不幸せが大好きだ
「お前みたいにだけは
なりたくないよ」って
あの日の僕が吐き捨てて消えた
「終わりの始まり」/ハルカトミユキ

 そして、サビで待ち受けているのがこの強烈なフレーズ。ハルカは、匿名者たちの声も受け止めた上で<殺されてしまったみんな>と叫ぶのです。おそらく、殺されてしまった“みんな”とは“何かおかしい感覚”のことではないでしょうか。疑う気持ちを亡くし、いつのまにか<麻酔が効いちゃって>、誰かの<不幸せが大好き>な人々の一員になって…。そんな“君”に“僕”に「お前みたいにだけは なりたくないよ」と、かつての自分が怒りを吐き捨てて消えてしまうのです。

もういいかい まあだだよ
もういいかい もういいよ
もういいかい まあだだよ

もういいよ もういいよ
もういいよ もういいよ
もういいよ
「終わりの始まり」/ハルカトミユキ

 ラストで繰り返されるのは、かくれんぼのセリフ。<もういいかい>と聞いていたのは誰なのでしょうか。不幸せが大好きな人々?かつての自分?どちらにせよ<もういいよ もういいよ もういいよ もういいよ もういいよ>という“僕”の言葉にもう応答はありません。この<もういいよ>は、諦めのようにも、許してという懇願にも、もう抱え込まなくていいという解放にも、聞こえますね。みなさんは、この声からどのような想いを感じるでしょうか。「終わりの始まり」で描かれているのは、絶望なのでしょうか、それとも…。

◆3rd ALBUM『溜息の断面図』
2017年6月28日発売
初回盤 AICL-3354/3355 ¥3,990(税込)
通常盤 AICL-3356 ¥2,800(税込)

<収録曲>
1.わらべうた
2.Stand Up, Baby
3.Sunny, Cloudy
4.終わりの始まり
5.Fairy Trash Tale
6.WILL(Ending Note)
7.宝物
8.近眼のゾンビ
9.インスタントラブ
10.僕は街を出てゆく
11.嵐の舟
12.種を蒔く人