下を向いて歩いたって、別に別に別にいいじゃねーか。

お義父さん あなたの娘は 幸せな家庭だけを
夢見る美しい女性に 今なりました
あ~もしよかったらいつか 孫を見に来ませんか
酒を飲み語りましょう お義父さん

お義父さん あなたの娘をもらって もう15年です
毎日3人のママとして頑張ってくれています
あ~こんな素敵な 娘を僕にくれて
ありがとうございます お義父さん
「お義父さん」/はなわ

 お笑い芸人“はなわ”の13年ぶりのCDシングル「お義父さん」が2017年5月24日にリリースされました。以前、うたコラムでもご紹介しましたが、この曲は、彼が奥さんの誕生日にプレゼントした歌。父親と2歳で生き別れて育った奥さんの生い立ちから、貧乏を乗り越えて<幸せな家庭だけを 夢見る美しい女性>になった今までをお義父さんに語りかける、愛に満ちた楽曲となっております。
 
 「お義父さん」は歌詞公開日よりじわじわとアクセスを伸ばしておりましたが、はなわが先週、朝の情報番組『スッキリ!!』に出演し、この曲を披露したことでさらに話題沸騰。放送日の6月7日には一日で10000回を超える歌詞アクセス数を獲得し、デイリーランキング3位を記録しました!そして、実は同曲がきっかけとなり、奥さんは音信普通だったお義父さんと初対面を果たしたんだとか…。たった一曲に込められた強い想いが、長い月日を超えて、家族を再び繋いだのですね…!

下を向いて 歩いたって
別に別に別に いいじゃねーか
何にもない 空見るより
ずっとずっとずっと いいじゃねーか
「下を向いて帰ろう」/はなわ

たまに後ろ 振り返ったって
別に別に別に いいじゃねーか
不安な未来 怯えるより 
ずっとずっとずっと いいじゃねーか
「下を向いて帰ろう」/はなわ

 さて、今日のうたコラムでは、そんな感涙シングルのカップリング曲「下を向いて帰ろう」をピックアップいたします。この曲は、2013年にリリースされた“風男塾”の10thシングルとして、はなわが書き下ろした楽曲を新録したもの。よく楽曲には“上を向いて”や“前だけを見て”というワードがプラスの意味を持って登場しますが、逆に“下を向く”という言葉はネガティブな表現に使われることがほとんどです。しかし、はなわは下を向くことや後ろを振り返ることを肯定し、そういう日があるからこそ生きてゆけるんだ、というメッセージをこの曲に込めました。

踏まれて潰れちまった
俺によく似た 雑草が笑いかけてくれた
この街で暮らすなら 
つらい事など 忘れてしまえばいいのさ

夜空に浮かんだ あの月を見るたび
情けねーけど 田舎に帰りたくなるんだ
だからこんな日は 下を向いて
下を向いて帰ろう nananana~
「下を向いて帰ろう」/はなわ

 <踏まれて潰れちまった 俺によく似た 雑草が笑いかけてくれた>ことに気づけたのは、下を向いて歩いていたからこそ。その雑草の泥臭い生命力は、上で輝いている月よりずっと強いエネルギーを“俺”に与えてくれたのではないでしょうか。また、映画『きいろいゾウ』という作品に登場する言葉で「世の中には、月の光が眩しい人だっているんです」というセリフがあります。まさに、この歌の主人公はそんな“月の光が眩しい人”である気がしますね。
 
 きっと、坂本九の名曲のように<上を向いて歩こう 涙がこぼれないように>…そうやって生きることで、前に進める人もいれば、はなわが歌うように<こんな日は 下を向いて 下を向いて帰ろう>と、月から顔を背けて、ときに涙をぼろぼろこぼしながら帰ることで、前に進める人もいるのでしょう。どんな景色を力にして生きていくかは、自分次第ということですね!

 「お義父さん」も「下を向いて帰ろう」も、胸をアツくさせる感涙ソングとなっておりますので是非、歌詞をじっくりと味わいながら聴いてみてください。