もう嫌だって頬を伝った遭難信号に、気付いて

 女優“波瑠”主演の火曜ドラマ『あなたのことはそれほど』が、5月30日放送の第7話で平均視聴率12.4パーセントを記録!2週連続で同ドラマ最高記録更新となりました。このドラマのテーマは、ダブル不倫。ヒロイン(波瑠)は、2番目に好きな男(東出昌大)と結婚したものの、10代の頃から思い続けていた同級生(鈴木伸之)に再会したことをきっかけに恋が再燃し、不倫に溺れてゆきます。一方、その同級生の彼にも妻(仲里依紗)がおり、しかも子どもが生まれたばかり。
 
 そんな2組の夫婦生活とそれぞれの心模様が描かれているのですが、この4人、みんな何かが変…。まず、ヒロインは“ダブル不倫”への罪悪感がゼロです。何故ならこれはあくまで“浮気”であり“運命の恋”だとまで思っているから。さらに、妻の不倫を知りながら「変わらず君を愛する」と不気味な笑顔で宣言し、何事もなかったかのように装う夫。妻も子も愛しているのに軽々と不倫を続ける同級生の男。不倫夫をじわじわと追い詰め、手のひらで転がす静かな妻。こうした4人のいびつな言動が、物語をどんどん予測不能な展開へと導くため、私たちはますますドラマから目が離せなくなっているのです…。

難しい感情だった 始めは人を恨んだ
それから不幸を祈っていた
許されるだなんて思っちゃいない
恥ずかしい毒も吐いた 続けて人を誹謗した
どこから自分を失っていた? 
嘲笑われるくらいに腐っていた

後に悔やむ事が無いのなら
後で悔やむと書きはしないと
不甲斐ない航海の 旅路を綴っている

どうか
どうしたってなれない夢ばっかを選んで
どうにだってならない嘘なんかを吐いて
買い被った不完全な沈没船を救ってよ
どうか
もう終わってしまったんだって命を投げ捨て
もう嫌だって頬を伝った遭難信号に 気付いて
合図したシーキューシーキュー 聞こえますか
「CQCQ」/神様、僕は気づいてしまった

 そして毎回、緊迫したラストシーンに激しく鳴り響くのが、4人組ロックバンド“神様、僕は気づいてしまった”が手がけた主題歌「CQCQ」です。タイトル「CQCQ」の【CQ】とは【call to quarters(四方に呼び掛ける)】の略語。無線通信で不特定の相手を呼び出すための符号を意味しております。また、【Seek You(あなたを探す)】が転じたものだという説も、【Come Quick(早く来て)】を意味する場合もあるんだとか。なんだか、ドラマの4人がそれぞれ「誰か!」「あなた!」「早く来て!」と孤独に叫んでいる姿が見えてきませんか…?

 ちなみに、SNSにはドラマ視聴者から「主人公がダメ女すぎる」「全員、最低」「不倫への罪悪感のなさに気分が悪くなる」といった意見も多数。でも、いずれの登場人物もいつかは、人を恨み、不幸を祈り、恥ずかしい毒を吐き、人を誹謗し、自分が<嘲笑われるくらいに腐っていた>ことを嫌というほど思い知るのです。すでに後悔しながら<不甲斐ない航海の 旅路を綴っている>のかもしれません。ただ幸せになりたいだけなのに、ふとしたきっかけでこうして人生に遭難してしまうことは、誰にでもあり得ることなのだと思います。

こうして
どう足掻いて前向いたって夢は遠ざかって
どう足宛いて帆を張ったって嘘にしか見えなくて
ユートピアと命名した幽霊船は沈んでく
そうして
もう終わってしまったんだって命を投げ捨て
もう嫌だって頬を伝った遭難信号に 気付いて
落っことした本当の自分
ふいに 遂に 消えかけたシーキューシーキュー
聞こえますか
「CQCQ」/神様、僕は気づいてしまった

 さて、ドラマ『あなたのことはそれほど』の最終回では、<買い被った不完全な沈没船>も<ユートピアと命名した幽霊船>もただただ沈んでいくのでしょうか。お互いの<頬を伝った遭難信号>に気づかず、<シーキューシーキュー>は空しく消えてゆくのでしょうか。現時点ではまったく想像出来ない物語のラスト、“神様、僕は気づいてしまった”の「CQCQ」はどのように響くのでしょうか。結末を知るのが恐ろしく、でも、楽しみでなりません…!

◆DEBUT SINGLE「CQCQ」
2017年5月31日発売
初回限定盤(CD+DVD) ¥1,800(tax out)
通常盤(CD) ¥1,200(tax out)

<収録曲>
1.CQCQ
2.オストリッチ厭離穢土(新曲)
3.週刊アンソロポロジー(新曲)