惰性で見てたテレビ消すみたいに、生きることを時々やめたくなる。

 現在、放送中のTBS系日曜ドラマ『小さな巨人』の主題歌として注目を集めている“平井堅”の「ノンフィクション」が2017年6月7日にリリースされます。CD発売に先がけて、5月14日からは先行配信がスタート。音楽配信サイトのiTunes、レコチョク、mora、オリコン、TSUTAYAの5サイトで軒並みデイリーランキング1位を獲得し、早くも5冠達成!そして、歌ネットでも歌詞の先行掲載がスタートいたしました。今日のうたコラムではそんな新曲をご紹介!
 
 尚、長谷川博己が主演を務めるドラマ『小さな巨人』は、警察内部の戦いを描いた物語です。キャッチコピーとして掲げられているのは“敵は味方のフリをする”という言葉。警察官たちは、目の前の事件と同時に出世や人事問題に激突し、ときに裏切られ、ときに怒りに叫びながら、究極の選択に迫られます。ただ正義を守ることがどうしてこれほどまでに難しいのか、一体他の何を守ろうとしているのか…。そのようなリアルな警察の姿を通じて、一人の“人間”としての本質が見えてくるのです。

描いた夢は叶わないことの方が多い
優れた人を羨んでは自分が嫌になる

浅い眠りに押しつぶされそうな夜もある
優しい隣人が陰で牙を剥いていたり

惰性で見てたテレビ消すみたいに
生きることを時々やめたくなる
「ノンフィクション」/平井堅

 さて、ドラマからメッセージを受け取った“平井堅”が、主題歌の中でフォーカスをあてたのは人生の苦渋や苦難、生きることの暗部です。ひとつひとつのフレーズに、虚構のキレイゴトなんかじゃないノンフィクション(事実)が綴られており、歌詞を読むのが苦しくなってきますね…。しかし、よく考えてみるとすべての歌詞に少しずつ“希望”も残されているような気がしませんか?
 
 <描いた夢>は必ず叶わないわけではありません。<優れた人>を羨むのは自分もそうありたいと願う力が残っているからです。<浅い眠りに押しつぶされそうな夜もある>けど、朝になればまた立ち上がるのでしょう。<隣人が陰で牙を>剥いていたりもするけど、少なくとも表面上は“優しさ”を見せてくれています。そして、<惰性で見てたテレビ消すみたいに 生きることを時々やめたく>なっても、それでもやっぱり生きてゆくのです。

人生は悲劇ですか? 成功は孤独ですか?
僕はあなたに あなたに ただ 会いたいだけ
正しくなくていいから くだらなくてもいいから
僕はあなたの あなたの 本当を知りたいから
鞄の奥で鳴る鍵 仲間呼ぶカラスの声
僕はあなたに あなたに ただ 会いたいだけ

何のため生きてますか? 誰のため生きれますか?
僕はあなたに あなたに ただ 会いたいだけ
人生を恨みますか? 悲しみはキライですか?
僕はあなたの あなたの 本当を知りたいから
秘密 涙 ひとり雨 目覚めたら襲う不安
僕はあなたに あなたに ただ 会いたいだけ
信じたいウソ 効かないクスリ 帰れないサヨナラ
叫べ 叫べ 叫べ
会いたいだけ
「ノンフィクション」/平井堅

 平井堅はこの曲について、現実の苦しい部分を描いたけれど「でも決して諦めずに生きることを選び、今を生きる、僕を含め勇者達を歌った曲です。真剣だからこそ悩み、迷い、時に投げ出したくなることが生きることだと思って書いた曲です。」とコメントしております。だからこそ、サビの<人生は悲劇ですか? 成功は孤独ですか?>というフレーズは“反語表現”であり、そこには「いや、悲劇なんかじゃない。孤独なんかじゃない」という切実が込められているのではないでしょうか。
 
 また、<人生は悲劇ですか? 成功は孤独ですか?>、<何のため生きてますか? 誰のため生きれますか?>、<人生を恨みますか? 悲しみはキライですか?>という問い掛けは、<優れた人>や陰で牙を剥く<優しい隣人>も抱えているであろう、それぞれの立場の“苦しみ”に寄り添っているようでもあります。きっとこの曲は、正しさも間違いも関係なく、今を生きるすべての“勇者達”に捧げる応援歌なんです。では、みなさんなら「ノンフィクション」が伝える問い掛けに、どのような答えを返しますか?何のため生きてますか?誰のため生きれますか…?

◆42nd New Single「ノンフィクション」
2017年6月7日発売
初回生産限定盤 BVCL-818 ¥1,250+税
通常盤 BVCL-819 ¥1,130+税