春が連れてくる、あの日の君を、もう会えないと知ってるの。

 去年、ヒロイン・佐野さくら役として出演した月9ドラマ『ラブソング』で、一気にその名をお茶の間へ広めたシンガーソングライター“藤原さくら”。主演の福山雅治が作詞作曲を手がけた主題歌「Soup」は、ミリオンリリックとして歌ネットの歴代人気曲にも認定されております。さて、そんな彼女が5月10日に待望の2nd フルアルバム『PLAY』をリリースしました!今日のうたコラムでは、自身作詞作曲の新曲「sakura」をご紹介。タイトルから“藤原さくら”も“佐野さくら”もイメージさせるこの曲は、どのような歌詞なのでしょうか…。

海沿い 風を切って走らせる
夕日が 青を優しく溶かした
君のくれた言葉を 頭の中でなぞる

あの日君は一瞬で わたしの色を変えてくれた

春を知らなかった わたしのそばで
泣き虫だなぁって笑う人
春が連れてくる あの日の君の
声が聴こえてくる
「sakura」/藤原さくら

 実は以前、藤原さくらはライブMCで、この曲はドラマ『ラブソング』が終了した後に“佐野さくら”のことを想って書いた歌であると語っておりました。ちなみに最終回では、お互いに恋心を寄せていた佐野さくらと神代先生(福山雅治)が結ばれることはなかったんですよね。彼女は先生から離れ、歌ってゆく道を選び、そばには彼女を想う別の大切な人(菅田将暉)が。そして、そんな二人を目にした先生もまた、さくらに声をかけることなくそっとその場を去ってゆく…というラストでした。
 
 「sakura」からは、その後も続いている“佐野さくら”の物語が見えてくるようです。歌詞を読むと、たとえもう二度と会えなくても、さくらと先生の出逢いは決して間違いなんかじゃなかったことがわかりますね。ドラマの物語序盤では、吃音症により人と上手くコミニュケーションを取れなかった彼女。しかし<君のくれた言葉>が<わたしの色を変えてくれた>ことで、佐野さくらの人生は大きく動きました。たとえば、スムーズに言葉が出てこなくても、諦めずに少し時間がかかっても“ちゃんと伝える【7秒の勇気】を持つ”ということを教えてくれたのも、神代先生でした。

古いアコースティックギターも
一緒に連れていこうよ
良いことも嫌なことも
だって歌になるし

友達は大切だけど
この街で生きてると
いまよりも
ダメな自分になっちゃう気がしちゃって…
「好きよ 好きよ 好きよ」/藤原さくら

今年も 街にあの花が咲いて
静かに 始まりをくれるみたい
いまは自分のことも やっと好きになれたわ

あの日君は一瞬で 世界の色を変えてくれた

春が連れてくる あの日の君を
もう会えないと知ってるの
春が連れてくる 笑ってる君は
あの日と同じまま
「sakura」/藤原さくら
 
 尚、ニューアルバム『PLAY』で「好きよ 好きよ 好きよ」の次に収録されているのが「sakura」です。「好きよ 好きよ 好きよ」は、ドラマでさくらが先生のことを想って歌詞を作った楽曲。かつて<いまよりも ダメな自分になっちゃう気がしちゃって…>と綴っていた彼女は、まだ自信があるとは言いがたい心境だったようですね。しかし「sakura」では<いまは自分のことも やっと好きになれたわ>と歌えているのです。きっと、先生と過ごしたことで得た強さは、別れた今も尚、佐野さくらを支え続けているのでしょう。また、そんな佐野さくらの姿は同時に、その役を生き切った藤原さくらにも重なりますね。

あの街の空はどんなだっけな
大切な人ができたの
春が連れてくる 重なる影を
優しく包んでいく

海沿い 風を切って走らせる
あの歌 口ずさんで帰ろう
「sakura」/藤原さくら

 佐野さくらは、あの街での記憶もあの歌も、胸に抱いて大切な人とこれからも物語を紡いでゆくのでしょう。そして藤原さくらもまた、ドラマで生きた時間やあの歌を宝物に、彼女の音楽をどんどんわたしたちに伝えてくれるのだと思います。そんな「sakura」をはじめ、アルバム『PLAY』には藤原さくらの魅力がギュッと詰まった全12曲が収録されておりますので、じっくりとお楽しみください!

◆2nd Full Album『PLAY』
2017年5月10日リリース
初回限定盤 VIZL-1149 ¥3,500+税
通常盤 VICL-64771 ¥2,800+税

<収録曲>
01. My Way
02. Someday
03. 春の歌
04. play with me
05. 赤
06. 好きよ 好きよ 好きよ
07. sakura
08. Necklace
09. Soup
10. play sick
11. SPECIAL DAY
12. はんぶんこ