涙とは、母親にかけた迷惑と、父親がくれたプライドでできている。

 今年2月にデビュー満20周年を迎えた“スガシカオ”が、アニバーサリーイヤーの集大成イベント『スガフェス!~20年に一度のミラクルフェス~』を5月6日に開催しました!出演アーティストは、怒髪天、THE BACK HORN、UNISON SQUARE GARDEN、ふなっしー、RADIO FISH、稲川淳二、Mr.Children、SKY-HI、スガンプーユ(flumpool・山村隆太&高橋優&スガシカオ)、水樹奈々、ポルノグラフィティ、kokuaと超豪華で、もちろん観客は満員御礼!

 イベントは終始、スガシカオと各アーティストとのコラボあり、ラストにはオールラインアップもあり。まさに、20周年を締めくくるにふさわしい特別な1日となりました。そして同日、スガシカオの新たな楽曲「雨ノチ晴レ」と「ハッピーストライク」が配信リリース!歌ネットでもすでに歌詞が公開されておりますので、今日のうたコラムでは「雨ノチ晴レ」をご紹介いたします。尚、この歌は“本田翼”が出演する『田島ルーフィング』のテレビCMソングとして流れている楽曲です。

勇気とは 誰かに誇るものではなく
自分の弱さと戦うための心の武器
希望とは 真夜中にやけに輝いて
その光だけが明日をきっと照らせる
「雨ノチ晴レ」/スガシカオ

夜空とは 遠くのあなたとぼくが見る
たったひとつだけの嘘のない真実
心とは 誰にも見せなかった自分で
本当はあなたに一番わかってほしかった
「雨ノチ晴レ」/スガシカオ

涙とは 母親にかけた迷惑と
父親がくれたプライドでできている
命とは 理由も意味もなく生まれて
いろんな理由や意味を見つけて消えていく
「雨ノチ晴レ」/スガシカオ

 まず、3つのフレーズをピックアップしましたが、いずれも<~とは>という言葉が綴られておりますね。まるでスガシカオ流のオリジナル辞書のようでもあり、<勇気>、<希望>、<夜空>、<心>、<涙>、<命>など、とっくに知っていたはずの言葉の意味を、新しく知ることができるのです。きっと、誰もが知っている単語だからこそ、一人一人、異なる捉え方があるのでしょう。

 また、スガシカオは自身のTwitterでこの曲について「20周年の記念に、空を見上げながら書いた歌詞です。「勇気とは…」「命とは…」どれか一行、心に刺さるセンテンスがあると思う。大切な人や人生を思いながら、是非聴いてみてください!」とコメントしております。みなさんはどの言葉が、改めて胸に刺さりますか…?

例えば地球が滅ぶ 映画のラストシーンだとして
大事な人にどんなこと どんな言葉で伝えるんだろう

なんでもない明日にも
挫折や不安が そっと潜んでいて
ほんのちょっとのおまじないで
それはウソみたいに光に変わる
「雨ノチ晴レ」/スガシカオ

 そして、このように歌の幕は閉じてゆきます。スガシカオが歌詞の中で、改めてひとつひとつの言葉の意味を紡いでいたのは、“いざという時”に<大事な人にどんなこと どんな言葉で伝えるんだろう>…、そんな想いがあったからなのでしょう。こうして大切な人のために自分の中で捉えなおした言葉は<ほんのちょっとのおまじない>になって、誰かが生きるための<光に変わる>のだ、という強いメッセージが伝わってくるようです。
 
 <勇気>、<希望>、<夜空>、<心>、<涙>、<命>…。普段はとくに気にしたこともないありふれた言葉でも、その意味を自覚することが大切なときがあるのですね。それはきっと、そっと潜んでいる<挫折や不安>に出遭ってしまったとき。本当の意味で“言霊”を信じて、言葉を味方にできたなら、わたしたちはどんな負の波にも打ち勝てるのではないでしょうか。そんなことを教えてくれるのが「雨ノチ晴レ」という楽曲。是非、ひとフレーズずつ、言葉を噛み締めながら聴いてみてください…!