あなたとキスをするたびちょっと悲しい…でも嬉しい。

(Yu.la.la.la.Yu.la.la.la.Yu.la.la…)
You make me so blue(No)
(Fu.la.la.la.Fu.la.la.la.Fu.la.la…)
Jellyfish love
(Yu.la.la.la.Yu.la.la.la.Yu.la.la….)
「MOON JELLYFISH」/Flower

 4月26日に“Flower”が14作目となるシングル『MOON JELLYFISH』をリリース。今作は、初夏の匂いが溢れるサウンドと、作詞家・小竹正人さんによる美しく切ない歌詞に惹き込まれるラブソング…!今日のうたコラムでは、まず表題曲の「MOON JELLYFISH」をご紹介いたします。【JELLYFISH】とは【クラゲ】のこと。ちなみに英語圏では一般的なクラゲのことを【MOON JELLYFISH】と呼ぶこともあるんだとか。クラゲは漢字で【海月】と書きますし、国境を越えて誰もがなんとなく、クラゲから海の青や儚い月の光をイメージするところがあるのでしょうか。

追えば追うほどあなたは 私から逃げる素振りね
だから離れようとすると 今度は追いかけてくるわ
水族館で ライトアップされてキラキラ
クラゲたちが 泡の中を 揺蕩ってる

I'm your moon jellyfish
ほんの少しよそ見をしちゃったら
この恋は一瞬にしていなくなる
読み取れないその眼差しの真意が知りたいの
Yu.la.Yu.la.la.
揺れて揺れて揺れて眩暈がするわ
Heartだけ40℃の熱あるみたい
あなたとキスをするたびちょっと悲しい…でも嬉しい
「MOON JELLYFISH」/Flower

 さて、冒頭で<You make me so blue(No)>というフレーズが登場しますが、<blue>をすぐに否定していますよね。これこそがこの歌の核になっているような気がします。つまり、恋することによって生まれる矛盾や葛藤などの様々な“両極”が描かれているんです。たとえば<追えば追うほどあなたは 私から逃げる素振り>を見せるのに、<離れようとすると 今度は追いかけてくる>姿。<あなたとキスをするたびちょっと悲しい…でも嬉しい>相反する気持ち。クラゲのようにクールに見えても<Heartだけ40℃の熱あるみたい>という温度差。そのコントラストのすべてが美しいですよね。

私のことを一番 シアワセにするのはあなた
だけど私を誰より やるせなくさせるのもあなた
波打ち際に 足跡をいくつ残しても
Wave illusionすぐに波が 消し去るのよ

You're my moon jellyfish
思い切ってその綺麗な肌に
触(ふ)れようとすればチクッと胸を刺す
触(さわ)れば触るほど痛く腫れてしまうの
Fu.la.Fu.la.la
変わる変わる変わるその態度
夢を見るたびすぐ夢が覚める
私たちはこれから夏に向かうの

音もなく 月の滴が 海に堕ちてく
流されないくらいしっかり 抱きしめていて…抱いて
「MOON JELLYFISH」/Flower

 また、お互いがお互いの【MOON JELLYFISH】であるとも綴られています。綺麗で魅力的だけれど、毒を持つクラゲ同士。だからこそ、この恋は単純ではないのです。さらに<You make me so blue>の“blue(青)”もまた、二つのイメージを持つ色であるように感じませんか?【青いバラ】には“不可能”と“奇跡”という二つの花言葉があります。空と海も、同じ青を映し合えど、永遠に触れ合うことはできない関係です。そして、そんな青の狭間で揺れているのが「MOON JELLYFISH」の“私”と“あなた”なのでしょう。果たして、この儚い恋が、揺るがぬ愛に変わる日は来るのでしょうか。その未来は今、ユラユラと煌めいております…。

それは とても 深いグリーン

私の部屋で キミと毎晩 朝まで話し込んだよね
すごく 他愛もないことで はしゃいで
お気に入りのソファー 
手の平ひとつ分だけ離れて座ってるときに
愛しさだけが 愛しさだけが 
もう 泣きたいくらい 溢れていたの

深緑のカーテン越しに広がる夜が
ぼんやり明るくなって
「そろそろ寝ようか?」キミがそう言うたびに
ぎゅっとぎゅっとぎゅっと抱きついてた
小さなベッドで窮屈そうに眠る
それさえ幸せだったの
サヨナラするなんて まるで思わなかった
キミがキミがただ好きでした…グリーン
「とても深いグリーン」/Flower

 さて、幸せと不安の両方を含んだ“青”のイメージな表題曲「MOON JELLYFISH」に対し、カップリング「とても深いグリーン」でテーマになっている色はタイトルどおり“グリーン”です。こちらは、最愛の人とサヨナラをしてしまった失恋ソング…。しかし、その歌詞から哀しみよりずっと強く伝わってくるのは、彼を愛していた頃の記憶と、今も尚、消えることのない愛情です。それは“深緑”という色にも関係しているのでしょう。いなくなってしまったけれど、彼はたしかに、自分に“やすらぎ”や“平穏”の毎日を与えてくれた優しい人だったように感じます。そんな恋のあとに残るのは、怒りや恨みではありませんよね。
 
 「MOON JELLYFISH」も「とても深いグリーン」も、決して手放しで幸せ!と言い切れるラブソングではありません。でも、この恋をしてよかった、少なくともこの人を愛して損することなどひとつもなかった、そういった気持ちが伝わってくる歌詞なんです。誰かをここまで想ってみたいという憧れが、じんわりと心に広がってくるニューシングル。是非、歌詞を味わいながら、楽曲を聴いてみてください。

◆ニューシングル『MOON JELLYFISH』
2017年4月26日発売
初回生産限定盤 AICL-3328~9 ¥1,500+税
通常盤 AICL-3330 ¥1,000+税
期間生産限定盤 AICL-3331 ¥463+税(税込¥500)

<収録曲>
1. MOON JELLYFISH
2.とても深いグリーン
3.カラフル“a touch of jazz”mix
4. MOON JELLYFISH (instrumental)