放課後二人で歩いたときに、あたしはきみが好きだと思ったんだ…。

(I don't know if he likes me
I don't know if I like him)
「スキナノカナ」/Softly

 そんな心の声で幕を開けるのは、今、10代女子から熱い支持を集めている北海道の2人組シンガーソングライターデュオ・Softly(ソフトリー)の新曲「スキナノカナ」です。お互いにどう思っているかなんて知らない。自分の気持ちさえわからない。友達以上、恋人未満の関係のなかで疼いている“何か”の想いが、まずは冒頭から伝わってきますね。では、彼女の気持ちや二人の関係は歌のなかでどのように変化していくのでしょうか…。今日のうたコラムではこの胸キュンソングをご紹介いたします!

きみのこと 別に好きじゃないよ
強がってるわけじゃないけど
素直になって 笑ってみせてよ
そうじゃないと 気になって 気になって 気になって…

たまに見せる優しさも さみしそうな背中も
全部知ってるのは あたしだけだと思う
「スキナノカナ」/Softly

 初っ端から<きみのこと 別に好きじゃないよ>と宣言する主人公。しかし、なかなか<素直になって 笑ってみせて>くれない彼の表情も、<たまに見せる優しさ>も、<さみしそうな背中>も、<気になって 気になって 気になって…>仕方ないその理由を、本当は彼女自身がもうわかっているはずです。きっと心の中では、「スキナノカナ」と囁いてくる自分の声がどんどんどんどん大きくなっていることでしょう。

放課後 二人で歩いたときに
あたしはきみが好きだと思ったんだ
この気持ち 伝えたいけど
あたしの顔は赤く染まって
オレンジの夕日が照らすから
きみにバレてないといいな
この時間が続けばいいな
「スキナノカナ」/Softly
 
 そして、その気持ちが確信に変わったのが、放課後の帰り道。二人で歩いたとき「スキナノカナ」はたしかな<あたしはきみが好きだ>という言葉になったのです。それに気づいたと同時に、身体も“恋”の反応が始まり、<赤く染まって>ゆく“あたし”の顔…。一方で、同じオレンジの夕日に照らされながら“彼”の方は一体、どんなことを考えていたのでしょうか。

きみが誰を好きかなんて
どうでもいいはずなのにどうして
キュンと切なくなるんだろう…
笑うといつも下を向いて
顔をそらして逃げていたけど
ちゃんと前を向いて話そう
「ねえ、放課後あたしと帰ろう…?」

離れたくない 言い訳
見つからない、どうしよう
鐘が鳴った途端 きみが、きみが頷いたんだ

放課後二人で歩いたときに
あたしはきみが好きだと思ったんだ
この気持ち伝えたいから
Yシャツの袖掴んで そっと
オレンジの夕日が照らす影
手と手繋いでるみたいで...
無邪気に笑うきみが好きだ
「スキナノカナ」/Softly

 この二人はまだ、カップルになったわけではありません。ただ、勇気を出して「ねえ、放課後あたしと帰ろう…?」と声をかけた彼女に、頷くことで返事をした彼もまた同じように“スキナノカナ…スキナノカナ…スキナノカナ…”の心の声が自分の中で大きくなっていたような気がします。そして、先ほど彼女の赤くなった顔を照らしていた<オレンジの夕日>が、今度は<手と手繋いでるみたい>な影を照らしている様子は、この後のハッピーな結末を予感させますよね♪ いつかこの二人の、その後の物語も聴いてみたい…!
 
 尚、Softlyは2017年6月14日にニューアルバム『ふたりの距離』のリリースも決定いたしました。ご紹介した「スキナノカナ」はもちろん。彼と付き合い始めたばかりの女の子のドキドキを歌った「ポケットの中」や2次元・アイドルに恋をして彼氏をないがしろにしてしまう女子心を歌う「あなたは会えるけど全部ダメ」など、もうすぐ20歳になる2人が描く等身大の色んな恋が詰まったアルバムになっているそうなので、お楽しみに!

◆『ふたりの距離』
2017年6月14日発売
初回限定盤 UPCH-7314/5 ¥2,600(税込)
通常盤 UPCH-2126 ¥1,800(税込)