せめて胸を張って、ブラウスの中にそっと嘘をつめた。

本当に好きだったら
少しくらいズルしたっていいのに。

 ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう。』にこのようなセリフがありました。もちろん、好きな人の前だからこそありのままでいたいし、素の姿を好きになってほしいというのが理想ですよね。でも実際は、今の自分なんかじゃ相手に相応しくないような不安に駆られてしまうことも多々…。だから恋をすると人は、好きになってもらうために、ほんの少しのズルをすることがあります。ほんの少しの“嘘”をつくことがあります。でも、それぐらい、イイのです!

会いたい気持ちを抱えきれない
小さな胸じゃ
男らしく焼けたあなたの隣
似合わないから
私見栄を張って
せめて胸を張って
ブラウスの中にそっと
嘘をつめた
「恋と嘘」/赤い公園

 今日のうたコラムではそんな、恋と嘘の関係を歌った、春にピッタリな胸キュンソングをご紹介♪“赤い公園”が4月19日にリリースするニューシングル「恋と嘘」です!歌ネットでは歌詞の先行公開がスタート。リアルタイムランキングで首位も記録しました。2017年、彼女たちは「にー、しー、ろーでシングル出します!!」と、2月、4月、6月のリリースを発表しており、第一弾「闇夜に提灯」を2月15日に発売。そしてその第二弾が今作、女の子の切ない恋心を歌った密やかでささやかなラブソングでございます。

 ヒロインのコンプレックスは<会いたい気持ちを抱えきれない 小さな胸>です。何故なら、そんな自分じゃ<男らしく焼けたあなた>の彼女にはふさわしくないように感じてしまうから。それは容姿的なことでもあるでしょうし、“心”に余裕がない女の子だと思われたくないという気持ちもあるのでしょう。だからこそ<胸を張って>、心身ともにちょっぴり大きく見せるという“嘘”を、ブラウスの中にそっとつめたのです。さて、歌は次のように続いてゆきます。

「昨日君の夢を見た」って
どういうつもりで言ってるの
浮かれないように履いてみた
重いローファーもすぐ脱げた

行き止まりだって
気まぐれだって
疑えばキリがないけど
はだしになって
飛び込みたくて
しょうがないのが恋かもね
「恋と嘘」/赤い公園

 おそらく彼女は、ブラウスの中の“嘘”の他にも、浮き足立ちそうな自分にブレーキをかけるため、心に<重いローファー>を履いて、毎日出かけていたのでしょう。しかし、思わずそれも脱げてしまうような、彼の不意打ちの言葉…!好きな人から「昨日君の夢を見た」なんて言われたら、嬉しくないわけがないですよねぇ。本当は今にも<はだしになって 飛び込みたくて しょうがない>恋心が“嘘”を突き破って、溢れてしまいそうです。

恥ずかしいなんて
目をそらしたって
逃げちゃえば楽になるけど
訳などなくて
一人占めしたくて
しょうがないのが恋かもね

せっかく会えても見つめられない
小さな目じゃ
まっすぐ夢見るあなたの隣
似合わないから
私見栄を塗って
どうか昨日より
可愛くなってみせて
「恋と嘘」/赤い公園

 尚、作詞作曲を手がけたメンバー・津野米咲は、この曲について「恋をしていると、そうでない時には感じなかったはずの、沢山のコンプレックスに押しつぶされてしまいそうになります。心細くて、背伸びして、見栄を張って。。。そんな小さな嘘たちが、ひとときの勇気をくれるのです。密やかでささやかなこのラブソングと共に、春をじっくり感じて戴けたら嬉しいです。」とコメント。
 
 “嘘”というと、ネガティブな言葉のイメージが浮かびますが、津野さんの言葉のとおり「小さな嘘たちが、ひとときの勇気をくれる」こともあるのでしょう。だからこそ、冒頭でご紹介したセリフのように『本当に好きだったら 少しくらいズルしたっていい』のでしょう。「恋と嘘」のヒロインも、歌の終盤では嘘のおかげで恋のベクトルが、ポジティブになっているような気がします。<せっかく会えても見つめられない 小さな目>に見栄を塗るのは、<まっすぐ夢見るあなた>とちゃんと向き合うためなのです。

 また、もしかしたら彼サイドも「昨日君の夢を見た」という言葉の中に、ヒロインを思うゆえの“嘘”を仕込んでいるかもしれませんよね…!小さな嘘たちのなかに隠れている、揺るぎない“好き”という本当が、いつか二人を結んでくれますように!リスナーのみなさんも是非、甘酸っぱい胸キュンソング「恋と嘘」を聴きながら、好きな人に思いを馳せてみてください♪

◆ニューシングル「恋と嘘」
2017年4月19日発売
初回限定盤 UPCH-7247 ¥1,890(税込)
通常盤 UPCH-5903 ¥1,260(税込)

<収録曲>
M1.恋と嘘
M2.スーパーハッピーソング