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今日のうた

竹原ピストル

良い兆しなんてこれっぽっちもないから、これからも行くんだよ。

くたびれた言葉で
新しい約束を交わし
萎れた声で
新しい歌をうたおう

満ち満ちた若葉はいつだって
色褪せた枯葉の上にひらくのさ

Forever Young
あの頃の君にあって
Forever Young
今の君にないものなんてないさ
「Forever Young」/竹原ピストル

 昨年、西川美和さん監督の映画『永い言い訳』に出演し、好演が評価された“竹原ピストル”。その結果、見事、キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞と日本アカデミー賞 優秀助演男優賞を受賞しました。そんな彼が4月5日にアルバム『PEACE OUT』をリリース!冒頭でご紹介した、ドラマ『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』エンディングテーマ「Forever Young」や、ライブスピリッツが込められた「ドサ回り数え歌」「ママさんそう言った ~Hokkaido days~」など激アツな全13曲が収録されております!

 さて、「Forever Young」で歌われているのは、肉体的な若さではなく、魂の若さ。自分が<新しい約束>を交わす限り、<新しい歌>をうたう限り、新しい景色を貪欲に求める限り、常に己も新しくあり続けるのでしょう。野心も気力も、枯れるどころか、どんどん更新され、パワーアップしていくのです。この曲を聴いているとなんだか、年を重ねることが楽しみになってくると言いますか、自分もまだまだ行ける、まだまだ見たい世界がある、とワクワクした気持ちになってくるので不思議です。そして、その気持ちは“安住”ではなく常に“旅をし続ける”生き方への憧れにも通じてきます。

勝たなきゃ先に進めないのがトーナメント表。
勝たなくても先に進めるのがあみだくじ。
どちらにもエントリーすることができなかった俺たちが
千鳥足で進むのがこの細く入り組んだ路地裏だよ。

俺たちはまた旅に出た 俺たちはまた旅に出た
このままこうしていたいって思ってしまった明け方に
俺たちはまた旅に出た
「俺たちはまた旅に出た」/竹原ピストル

 ただし、憧れと現実はまた別。たとえば童話「アリとキリギリス」のアリがある日突然、キリギリスの生き方に憧れたとして、同じ生活を実現できるかといえば難しいでしょう。旅をし続ける自由とは、同時に、大きな過酷さを伴うものなのです。竹原ピストルはその“現実”の部分を何の綺麗な脚色もせず歌詞に晒け出します。ニューアルバムに収録されている新曲「俺たちはまた旅に出た」もまた、そんな1曲。では、歌詞はどのように続いていくのでしょうか。

金に困ったとき真っ先にギターを手に取るのがプロフェッショナル。
真っ先にバイト雑誌を手に取るのがアマチュア。
この世の隅っこみたいな飲み屋の隅っこで
“そういや、大阪に100%バックの店があるってよ!客10人で2万だぜ”
ってひそひそやってる俺たちみたいなのをきっとボンクラって言うんだよ。
「俺たちはまた旅に出た」/竹原ピストル

何でも語り合えるのが親友。
口は利かずとも実は分かり合えているのがライバル。
“心配いらない、世の中、下には下がいる。俺の下にはこいつがいる。”
って、互いに思い合っている
俺たちみたいなのを、きっと家族って言うんだよ。
「俺たちはまた旅に出た」/竹原ピストル

 トーナメント表にも、あみだくじにもエントリーできず、路地裏を千鳥足で進んでいく“俺たち”の日常は決して順風満帆とは言えません。<この世の隅っこみたいな飲み屋の隅っこで>生々しい話をひそひそやって、お互いに<“心配いらない、世の中、下には下がいる。俺の下にはこいつがいる。”>と思い合うことでなんとか足元を保って…。でも、どうしてでしょう。なぜか、プロフェッショナルやアマチュアより<ボンクラ>な彼らのことを、親友やライバルより<家族>である彼らのことを、やっぱりどこか羨ましいなぁと思ってしまうのです。

ぜんぶ出し切った人の背中は、
負けても光って見えるんです。
私はまだそれを信じきれないのだけど、
いつか、いつか勝利や敗北を凌駕して
背中が光るような戦い方が
私にも出来るかもしれない。
そう、祈るような気持ちで
観るのを止められないんです。
(彩瀬まる「光る背中」より引用)

 作家・彩瀬まるの小説『神様のケーキを頬ばるまで』に収録されている作品「光る背中」にそんな心情が綴られていました。これは、プロレス好きなOLが“どうして闘う姿に惹かれるのか”という本音の部分。きっとこの感覚が、「俺たちはまた旅に出た」の“俺たち”に憧れる理由にも通じているのだと思います。彼らの背中はまさに“勝利や敗北を凌駕して”光っているような気がするんです。だから一見、ドロ沼の中を生きているようでも、カッコいいんです。そしていつか自分もそんな生き方ができるかもしれない…。“そう、祈るような気持ちで”わたしたちも竹原ピストルの歌を聴いているのではないでしょうか。

俺たちはまた旅に出た 俺たちはまた旅に出た
このままこうしていたいって思ってしまった明け方に
俺たちはまた旅に出た

俺たちはまた旅に出た
良い兆しなんてこれっぽっちもなかったから ここまで来れたんだし
俺たちはまた旅に出た
良い兆しなんてこれっぽっちもないから これからも行くんだよ

俺たちはまた旅に出た。。
「俺たちはまた旅に出た」/竹原ピストル

 また旅に出た“俺たち”にはこれからどんな未来が待っているのでしょうか。もしかしたら一生<良い兆し>さえ見えずに終わってしまうのかもしれません。でも、最後まで旅を続け、ぜんぶ出し切った彼らの生き方は、無駄なハズがないでしょう。きっと今だって、この歌を聴いている多くのリスナーに光を与えてくれているのです。彼らが旅を続ける限り、わたしたちもどんなに自分たちの日常に<良い兆しなんてこれっぽっちも>なくても、頑張り続けていきたいですね…!

◆New Album 『PEACE OUT』
2017年4月5日(水)リリース
初回限定盤(CD+DVD) VIZL-1115 ¥3,300+税
通常盤(CD) VICL-64716 ¥2,900+税

<収録曲>
1.ドサ回り数え歌
2.虹は待つな 橋をかけろ
3.一枝拝借 どこに生けるあてもなく
4.ママさんそう言った ~Hokkaido days~
5.ぐるぐる
6.一等賞
7.ため息さかさにくわえて風来坊
8.最期の一手 ~聖の青春~
9.ただ己が影を真似て
10.例えばヒロ、お前がそうだったように
11.Forever Young
12.俺たちはまた旅に出た
13.マスター、ポーグスかけてくれ