いつまでもずっとなんて甘えて、気づいた時にはもう遅いね…。

だいたい誰かを好きになるときって
理由とか探そうとするけど
でも本当はそうじゃなくて
理由とか原因とかなくて
当たり前みたいにそうなって。
当たり前みたいになると、甘えてしまって
どうして好きだったかまたわからなくなって。
(ドラマ『最高の離婚』より)

 女性はよく「私のどんなところが好き?」と聞きたくなりがちですが、誰かを好きになることってたしかに、言葉では説明しきれないところがありますよね。まさに“当たり前みたいに”好きになって、付き合って、一緒にいる…。でも、月日を重ねるにつれその“当たり前”にどんどん“甘えてしまって”、何をしても、何をしなくても、「この人はずっと離れていかないだろう」なんて高をくくってはいませんか…?
 
 もしかしたらその“甘え”が気づかぬうちに二人のすれ違いのきっかけになっているかもしれません。今日のうたコラムでは、そんな“甘え”からすれ違い、ついに大切な人に想いが届かなくなってしまった主人公を描いた切ない新曲をご紹介いたします。“KANA-BOON”が2017年3月1日にリリースしたニューシングル『Fighter』に収録されているカップリング「スーパームーン」という楽曲です。

いつかすべては終わってしまう
わかっててもすぐに忘れて
いつまでもずっとなんて夢見て
積み上げて壊して繰り返し

相対する僕らだって
不確かな愛に振り回されて
言葉の数が足りなくなるまで
心の中で叫び散らした
溢れるほど 零れるほど

いつかすべては終わってしまう
わかってても知らぬ素振りで
いつまでもずっとなんて甘えて
気づいた時にはもう遅いね

相対する僕らだって
不確かな愛に振り回されて
言葉の数が足りなくなるまで
心の中で叫び散らした
溢れるほど 零れるほど
会いたいすら言えずなんて悲しいや
僕ら似た者同士で
傷の付き方、付け方も一緒
後遺症残して君は去った
溢れるよもう
「スーパームーン」/KANA-BOON

 <いつかすべては終わってしまう>かもしれないことは、忘れたり、知らぬ素振りをしたりしてしまう。そして、なんだかんだきっと<いつまでもずっと>一緒にいられるだろうという甘い考えに至ってしまう。それはやはり、いつのまにか“当たり前”の関係に当たり前に浸り切ってしまっていたからなのでしょう。その結果、<気づいた時にはもう遅い>状態に陥っており、<後遺症残して君は去った>のです…。
 
 また、<不確かな愛に振り回されて 言葉の数が足りなくなるまで 心の中で叫び散らした>というフレーズがありますが、これはあくまで“心の中”で叫んでいたんですよね。おそらくこの歌の<似た者同士>の二人はお互い<溢れるほど 零れるほど>に思っていたことがあるのに、相手に言動で伝えることをしなかったのだと思われます。同じフレーズが繰り返されていることで、今もまだ頭の中であの頃の記憶や後悔が何度もめぐっていることが伝わってきますね。

大切だって分かっていたって
退屈だって思う日もあって
大事なものが霞んでしまって見えなくなった

夜に包まれて君と見た空は
星がなくたって綺麗だった
夜を彷徨えば君に会えるかな
空を見上げたら月が溶けて滲んだ
「スーパームーン」/KANA-BOON

 “大切なものは失ってから気づく”とはよく聞く言葉です。だからこそみんな最初は、大事なものをちゃんと大切にし続けようします。しかし、その意思はだんだん<退屈だって思う日>に薄められ、<大事なものが霞んでしまって見えなく>なってしまうんですよね…。わかっていることと、それができることは違うのだと、改めて思わされる楽曲です。ちなみに、タイトルになっている「スーパームーン」とは、月が地球に最も近づいたときに、満月もしくは新月になった月の姿のこと。この満月は通常よりもずっと大きく見えるのです。
 
 また、スーパームーンの日に“願い事”をする人はとっても多いんだとか。何故なら、月は満月に近いほどその力を強めると言われているから。通常の満月より、さらに近づいた光なら、より一層そのパワーは強そうですよね!この歌の主人公も、切実な思いで満月に再び<君に会える>ことを願っているのでしょう。もしもその願いが叶ったときには、今度こそ、大事なものを大切にし続けられる自分に変われていたらいいですよね…!月の綺麗な夜には是非、KANA-BOONの「スーパームーン」を聴いてみてください。

◆New Single「Fighter」
2017年3月1日発売
初回生産限定盤(CD+DVD) KSCL-2867〜2868 ¥1,800 +税
通常盤(CD) KSCL-2869 ¥1,165 +税
期間生産限定盤(CD) KSCL-2870 ¥1,296 +税

<収録曲>
1. Fighter
2. スーパームーン
3. 君を浮かべて