傷つく一緒と傷つかないひとり、君となら傷ついてもいいかな…。

 もうすぐ2月も終わり…、早いですねぇ。そんな2月27日は、2月14日のバレンタインデーと3月14日のホワイトデーの中間日ということで、恋人同士の絆を深める<冬の恋人の日>と言われているそうです!<き・づ(2)・な(7)>の語呂合わせでもあるんだとか。さて、今日のうたコラムでは恋人のみならず、友人、家族、あらゆる人と人の心の絆を描いた新曲をご紹介いたします。“平井堅”が3月1日にリリースする「僕の心をつくってよ」です。
 
 この曲は、3月4日から全国公開される37作目の“ドラえもん”長編映画シリーズ『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』主題歌。平井堅がドラえもんとのび太のかけがえのない絆をイメージして書き下ろしました。先日、Mステでも披露されましたし、映画の予告編で流れているのを耳にした方も多いのではないでしょうか。優しく切ないメロディーも歌詞もジワーッと心に染み入ってきます…。尚、歌ネットでは歌詞先行公開がスタートしており、現在注目度ランキングの首位!

いつもいつもここじゃない気がして 
遠い空に憧れた
まっすぐな君を見て 小さな僕を知った

誰といても僕じゃない気がして 
誰かの後ろを見てた
隠れても隠れても 君だけは僕を見つけてくれた
「僕の心をつくってよ」/平井堅

 まず「僕の心をつくってよ」の<僕>をのび太だと考えてみましょう。パッと浮かぶ彼のイメージは、コンプレックスが多く勇気がなくて弱虫…。お気楽に見えるものの<いつもいつもここじゃない気がして 遠い空に憧れた>気持ちや<誰といても僕じゃない気がして 誰かの後ろを見てた>自信のなさが心のどこかにあったのかもしれません。しかし、そんなのび太を変えてくれるのが<まっすぐな君>=ドラえもんという存在です。

傷つく一緒と 傷つかないひとり
君となら 傷ついてもいいかな
「僕の心をつくってよ」/平井堅

 のび太はいつも、自分のダメなところをドラえもんの“道具”に頼ってなんとかしてもらおうとします。だから一見、<傷つかない>で楽に生きているように感じますよね。でも、そのズルイ作戦はだいたい失敗し、どんなに逃げようと隠れようと、結局は<傷つく>ことで彼は成長するのです。むしろドラえもんと<一緒>にいることで様々な試練や冒険をする機会が与えられているのではないでしょうか。もしドラえもんがいなければ、のび太は逃げ癖だけがついて一生<傷つかないひとり>を選んでいたことでしょう。

ねぇ 君のずるさを晒してよ
ねぇ 僕のダメさを叱ってよ
これからも この先も 僕の心をつくってよ

ねぇ 君の弱さを晒してよ
ねぇ 僕の強さを信じてよ
これからも この先も 僕の心をつくってよ

ねぇ 君が笑うと弾むんだ
ねぇ 君が泣いたら痛いんだ
君だけが 君だけが 僕の心をつくるんだ

ねぇ 僕の心をつくってよ
「僕の心をつくってよ」/平井堅

 <僕(のび太)>から<君(ドラえもん)>への大きな信頼、二人の強い絆を感じるサビですよねぇ…。しかし一方で、この「僕の心をつくってよ」の<僕>はドラえもんであるとも考えられるような気もしてきました。そもそもドラえもんだって、もとは未来で落ちこぼれていた欠陥ロボット。歌詞の冒頭にあったようなコンプレックスも抱えていたことでしょう。それがのび太と出逢い、様々な経験をし、ときには<傷つく一緒>を味わったことで“心”がつくられていったのではないでしょうか。つまりどちらもお互いに心をつくりあっていたのです。
 
 心を作るのは一方向ではない…。それはきっと、のび太とドラえもんに限らず、恋人でも、友人でも、家族でも言えることですね。平井堅の「僕の心をつくってよ」は是非、自分の心をつくってくれている、たくさんの<君>の存在を思い浮かべながら、聴いてみてください。

◆41st New Single『僕の心をつくってよ』
2017年3月1日発売
初回限定盤 BVCL-776/777 ¥1,500+税
フルヴォリューム通常盤 BVCL-778 ¥1,130+税
期間限定生産盤 BVCL-778 ¥926+税