旅の酒

風にゆれてる 赤提灯(あかちょうちん)が
旅路の俺を 呼び止める
飲んでは詫(わ)びる 盃(さかずき)に
おまえの面影 また浮かぶ
徳利(とっくり)何本 倒したことか
諦(あきら)め悪い 旅の酒

あの日心の 時計の針は
止まったままで 動かない
男のきまま わがままで
悲しい想いを させた俺
粉雪まじりの みぞれの音は
おまえのむせぶ 泣き声か

一度ちぎれた 絆(きずな)の糸を
つなげるすべは ないものか
おまえと俺の 想い出は
今でも心の よりどころ
ひなびた酒場の 手酌(てじゃく)の酒は
夜(よ)ふけてしみる 旅の酒
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