十代交響曲

Tapして閉じた画面に
映った自分 見つけたよ
ひとりぼっちじゃない気がして
一人きりが加速していく
空っぽの明日が近づいて
キラキラの世界垂れ流す
対岸のパレードには
入場チケット必要ですか?

『大丈夫だよ』って答えるたびに
きっと大丈夫じゃなくなる
あのころ描く未来の自分
近づくほどに 遠ざかる

未完成な十代交響曲
ノイズまみれ真っ白な楽譜 だきしめ
誰かのせいにしたい今夜を
いくつ超えれば大人になるの?
答えのない十代交響曲
声なき声たちはずっと鍵をさがす
閉じ込められたままの世界と
夜の密度が月を隠すよ

Tapして開く画面の
タイムライン 眺めたよ
おしゃれで綺麗で残酷で
絶望と格差 突きつける
そんな現実とこの部屋を
蛍光灯が照らしてる
どうしょうもなく無力感
退場することチラつきだした

何かを望み手に入れるたび
誰かが一つ失う
こんなことなら何も選ばず
このステージをおりるよ

未完結な十代交響曲
壊れそうな夜にディスコードするメロディ
自分を責めてしまう今夜を
いくつ超えれば大人になるの?
終わらないで十代交響曲
ありあまる自意識と矛盾する感情
ふさぎ込んだままの世界で
孤独な夜に朝を待ってる

交響曲はまだ序章
一度ぐらいは最後まで
間違えて、つまづいて、
迷い込んで、無我夢中
最終章が終わる頃
ガランとした客席に1人
スタンディングオベーションを
してくれる自分がいた

鳴り止まない十代交響曲
ホントは変わりたいんだ 勇気をください

未完成な十代交響曲
心のまま書きなぐった楽譜 だきしめ
誰かのせいにしたい今夜を
いくつ超えれば大人になるの?
答えのない十代交響曲
声なき声たちはドアノブに手をかけ
明け放たれたばかりの部屋に
そっと朝日が照らし始める

Tapして閉じた画面に
映った自分 見つけたよ
不器用に笑った 笑顔も
好きになれそうな気がしてる
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