忍ぶの乱れ

口紅(べに)を拭(ぬぐ)った さくら紙
花が咲いてる 畳のすみに
誘いあう 裏箱根 忍ぶの乱れ
飲んだお酒に まわった酔いに
ほどけてく ほどけてく あゝ黒髪よ

闇をきりさく 雷(いかずち)よ
雨よふれふれ 帰れぬように
月見草 忍野村(おしのむら) 忍ぶの乱れ
青い光に 轟(とどろ)く音に
炎(も)えあがる 炎(も)えあがる あゝひそやかに

みんなわすれて しまいたい
ずっとこのまま 抱きしめて
罪深き 濁池(にごりいけ) 忍ぶの乱れ
肌も心も 溶かされてゆく
喘(あえ)ぎ泣く 喘(あえ)ぎ泣く あゝあの世まで
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