桜の闇に振り向けば

薄紅の花が散る夜の
人恋しさは苦しみめいて
花宵闇を胸に引き寄せて
くるおしい命をなぐさめる

変わらない愛を求めることは
哀しみを探すことですか

桜の闇に振り向けば
美しすぎる夢の嘆きよ
桜の闇に振り向けば
水晶(ガラス)の毬を少女らがつく

春の重さをたえられぬように
散りゆく命見送りながら
儚さに知る恋の激しさを
息をひそめ照らす花篝

かなわない愛を追いかけるのは
せつなさが好きなせいですか

桜の闇に振り向けば
自分の背中見える気がして
桜の闇に振り向けば
心に残る幻(ゆめ)のひとひら

桜の闇に振り向けば
自分の背中見える気がして
桜の闇に振り向けば
心に残る幻(ゆめ)のひとひら
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