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LIVE REPORT

寺島拓篤 ライヴレポート

【寺島拓篤 ライヴレポート】 『TAKUMA TERASHIMA ONLINE LIVE 2020 4th STAGE ~ASSEMBLE~』 2020年12月27日 at 配信ライヴ

2020年12月27日
@配信ライヴ

声優・アーティストの寺島拓篤のライヴ『TAKUMA TERASHIMA ONLINE LIVE 2020 4th STAGE ~ASSEMBLE~』が、12月27日にオンラインで開催された。3月にリリースした4thアルバム『ASSEMBLE』収録曲を中心に全16曲をプレイし、熱いロックチューンとダンスチューンの両面の魅力を発揮した他、真っ直ぐなメッセージでファンの心を震わせた。

ダンスチューンの「UNBREAKABLE」で始まったライヴは、バンドサウンドの「Buddy, steady, go!」、ラップも聴かせた「カクシンボ」と、序盤は『ASSEMBLE』と同じ曲順で展開。ラジオをテーマにしたポップナンバー「ハートチューニング」では、コメント欄にはハートマークがずらりと並んだ他、《顔が見えなくても ギュッと近くにいるから》という歌詞が、配信ライヴにはぴったりの選曲になった。また、ピコピコの8ビットのサウンドで始まる「あいのうた」では台詞パートの《今日は二人の記念日だよねっ!?》を《今日はライヴの振り替え公演の日だよねっ!?》に変えて歌い、“会えなくてもこうしてつながってる。つながっていれば頑張れる。みんなで頑張ろうね、約束!”とファンにメッセージを送る。

中盤はダンスナンバーを次々と投下する。“踊るのはすごく楽しいです。歌って踊る難しさはあるけど、踊ることでシーンや空気が変わるから、自分の曲でちょくちょく取り入れています”と、「silent stride」ではクールでおしゃれなビートに合わせて華麗なステップを披露し、まるで大空を鳥が飛んでいるかのような大スケールのEDMナンバー「flow」では力強く拳を突き上げる。また、しっとりとした世界観の「深海より」ではダンサーとともにキレのあるダンスで魅せ、“ダンスうまい”“すごい”などの感想がコメント欄を埋めた。

後半戦は、まず「Nameless Story」と「メグルモノ」というアニメ『転生したらスライムだった件』のオープニング主題歌2曲を立て続けに繰り出す。爽快で胸の奥底からアツい感情が湧き上がってくる両曲はバンドアレンジによってよりエモーショナルな仕上がりで、寺島のヴォーカルもより熱量を増していた。また、11月に『転スラ×日清どん兵衛』のコラボキャンペーンが始まったこともあって、コメント欄には“どん兵衛”という言葉やスライムに見立てた青いハートマークが飛び交っていたのも印象深い。

終盤、MCでステージを作ってくれたスタッフへの感謝を表しながら“ライヴやってめっちゃ楽しかった。またみんなで集まって大騒ぎできる日がきたらいいな”と展望を語った寺島。“みんながやってきた一個一個の小さな積み重ねが、今の奇跡につながっている”と語り、最後に「僕らの奇跡」を歌い上げる。同曲は『ASSEMBLE』のラストに収録された温かさや希望の光に満ちあふれた楽曲で、聴く人それぞれの環境に寄り添いながら、やさしく背中を押してくれる歌詞が胸に響く。寺島は画面の前のひとりひとりに語りかけるように歌い、それに応えるようにファンはコメント欄で“lalala”と一緒に歌い、ネットを通じてひとつになった。

お洒落でユーモアセンスもあり、歌や踊りだけでなく作詞も手がける寺島拓篤。『ASSEMBLE』はツアー開催を念頭に置いて制作され、寺島のファンを楽しませようとする心意気やファンに伝えたいメッセージがたくさん込められていた。言わばライヴで歌ってこそ、初めて完成する作品だったと言える。オンラインというスタイルではあったが、寺島にとってはこの『ASSEMBLE』からの流れをひと区切りつけることができるライヴになっただろう。また、ファンにとっては、元気に歌い踊る彼の姿や、彼が発する生の言葉や歌詞に込めた思いを受け取ることができたと思う。この嬉しい一夜の思い出を胸に、次にまた会える日を心待ちにしたい。

撮影:江藤はんな(SHERPA+)/取材:榑林史章

寺島拓篤

石川県出身。TVアニメ『創聖のアクエリオン』アポロ役で華々しいデビューを飾り、TVアニメ『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%』一十木音也役や
TV『ウルトラマンタイガ』タイガ役などの主役をはじめ、多数のアニメ/ゲーム作品の声をあてる人気の男性声優のひとり。数々のキャラクターソングを歌いこなす歌唱力の高さで、2012年11月にはシングル「magic words」でアーティストデビューを果たした。