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LIVE REPORT

MERRY

『~The opening of a Decadence~ disillusion from crisis』

2010年10月02日
@品川ステラボール

会場に入るなり、違和感を感じた。いつもならステージ中央にあるはずのお立ち台的な学習机がなく、そこには革張りの椅子が鎮座している。“新しいMERRYの全貌が明からになる”。前回の取材時に今日のライヴについて語ったネロ(Dr)の言葉を思い出した。否が上にも高まる“新生MERRY”への期待感...しかし、それはいい意味で裏切られる。オープニングを飾ったのは移籍第二弾シングル「クライシスモメント」。静と動、柔と剛が交錯し、MERRYの世界が凝縮されているが、ガラ(Vo)曰く“バラードじゃないバラード”というナンバーであり、メロディーのインパクトが強い。その後もステージ後方の映像とリンクさせながら、ヒステリックではあるがメロディックなナンバーが続く。近年のライヴでは初期衝動を前面に押し出したようなアクトを繰り広げていただけに、これには正直言って意表を突かれた。“肉体派ではないライヴ”。確かに、そういうことも取材時に言っていた。スクラップ&ビルドを繰り返してきたMERRYが、また進化と変化を見せつけているとでも言えばいいのだろうか。まるで原点回帰を目指したかのように哀愁やレトロ感、アンダーグラウンド臭を漂わす楽曲がプレイされるのだが、現在のバンド力によって、それ以上に挑発的な棘を感じさせ、バンドの孤高性を叩き付けている。後半戦はアグレッシブなステージングで、彼ららしい狂気性も垣間見れたが、終演後に思ったことは、やはりバンドの変化だった。より“MERRYにしか築けない世界”の深層に向かっている。となると必然的に、次のアクションへの興味が沸くというもの。さて、次のステップではどんなMERRYを見せてくれるのだろうか?