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LIVE REPORT

Plastic Tree

【Plastic Tree】 『Plastic Treeメジャーデビュー二十周年“樹念”特別公演』 2017年7月29日 at パシフィコ横浜

2017年07月29日
@パシフィコ横浜

第一幕“【Plastic】things/1997–2006”では1997〜2006年の作品からファン投票で選ばれたアルバム『Puppet Show』(1998年発表)を、第二幕“【Tree】songs /2007–2016”では2007〜2016年の作品から選ばれた『ネガとポジ』(2007年発表)を完全再現するという構成のメジャーデビュー20周年“樹念”特別公演。“樹念”と銘打っていてもお祭り色はまったくなく、むしろその作品の世界観をよりストイックに追求するようなライヴだった。

第一幕では有村 竜太朗(Vo)がコープス系のメイク、他のメンバーも髪を大きく盛るなど、ビジュアル的にも90年代の彼らを彷彿。また、一・二幕ともに当時のPVを投影したり、Plastic Treeの歩みを観客とともに丁寧にトレースしていく。映像やレーザーなどのライティングで空間を彩る手法は、現在のプラが得意とするスキルであり、この日もそんな演出が全編に盛り込まれていた。しかし、逆にそこで際立って見えたのは、彼らの初期衝動的なエモーション。へヴィな曲での激情を叩き付けるような演奏とシャウトは20年が経過してもなお、このバンドの原点が何も変わっていないことを証明していた。

そして、この日もうひとつ印象に残ったのが、メンバーたちからの感謝。アンコールでは佐藤ケンケン(Dr)が旧ドラマーたちへのリスペクトを述べ、長谷川 正(Ba)は“若気の至りとかもたくさんあったけど、そういうのも含めて自分たちの作ってきたものを振り返って誇りに思える。それを支えてくれたみなさんに感謝”とコメント。結成からの20数年間を辿って、今のPlastic Treeを再確認してみたら、そこにはたくさんの感謝があった...そんな彼らの温かい気持ちが伝わってくるライヴだった。

取材:舟見佳子

Plastic Tree

プラスティック・トゥリー:1993年結成、97年に「割れた窓」でメジャーデビュー。攻撃的なギターロックからポップなものまで楽曲は多彩。有村の特徴的な歌声と文学的な歌詞や独特の世界観で、アーティスティックな美意識を貫く唯一無二の存在として、確固たる地位を確立している。LM.Cや氣志團、清春、MUCCら12アーティストが参加したトリビュートアルバム『Plastic Tree Tribute〜Transparent Branches〜』を2017年9月6日にリリース予定。また、9月9日には同作リリース“樹念”として親交のあるアーティストが出演するサーキットイベントを開催する。