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LIVE REPORT

水樹奈々

『NANA MIZUKI LIVE ZIPANGU 2017』

2017年03月12日
@さいたまスーパーアリーナ

“LIVE ZIPANGU”と題し、“日本”をテーマにした水樹奈々のアリーナツアーが終幕した。ステージは能舞台をイメージし、衣装も打ち掛けの和装から海兵(日本は海に囲まれていることから)、日本を代表する文化=アイドルなど多彩。また中盤のムービーではファンタジックな歴史恋愛絵巻が描かれ、会場内を移動するフロートは牛車をかたどるというこだわり。後半には障子と和傘を使った演出があった他、演奏には和太鼓などの和楽器も多く取り入れられるなど、いつものライヴステージとはひと味違う“みやび”な世界観に、集まった観客は時を忘れて心酔した。

冒頭、大きな椿の花の中から水樹が登場すると、会場が大歓声で沸く。このツアーでは最新アルバム『NEOGENE CREATION』収録の「はつ恋」や25thシングル「純潔パラドックス」など、和を意識して作られた楽曲や、和のエッセンスが取り入れられている楽曲を数多く披露。それらがステージの世界観ともマッチして、彼女の歌声も一層艶やかさを増していた。

前半の目玉は、サポートバンドであるチェリーボーイズのメンバーとの対決コーナー。公演ごとにメンバーひとり(楽器ひとつ)と水樹のヴォーカルだけで曲を披露するというもの。『MTV Unplugged』に出演した時にシンプルな演奏をバックに歌う楽しさに開眼してこのコーナーを思いついたとのこと。最終日はベースのりゅうたんこと坂本竜太と対決し「Pray」で魅了した。超絶テクを駆使したベースは、ドラムや和音も表現されて、これひとつでバンド演奏といった感じ。水樹の歌も絶品で、ふたりが合わさるとまるでオーケストラ演奏を聴いているかのようなスケール感になった。

中盤には一転、ミニスカートの可愛らしい衣装で登場。“いろいろな角度から日本を採り入れたくて。日本の文化と言えば、アニメやアイドルもそう。77歳までミニスカートでステージに立っていられるように、健康的に若く美しく頑張る!”と、少し照れくさそうに笑った彼女。このパートでは「Please Download」など披露し、ダンサーとともに振り付けでステージを盛り上げる。いつもの水樹ステージといった感じで、観客も声を張って盛り上がった。

後半戦に入り、歴史絵巻ムービーの後に登場した水樹の姿には誰もが目を見張った。ムービーは助けられた黄色い鳥が恩返しをするという内容で、彼女の背中には、なんと全長17.7メートルの翼が。その姿で披露した「ヒメムラサキ」に続く「悦楽カメリア」は、演出もあいまって実に胸に響いた。全ての業を浄化するかのような歌声が響き、この時が永遠であるかのように錯覚させるような壮大さだった。MCで“ついにラスボス(小林幸子)になってしまいました!”と笑いを取りながらも、“幼少期より紅白歌合戦で見て憧れていた”と語り、またひとつ夢を叶えたかたちとなった。

最終日にはサプライズゲストとして声優の先輩である山寺宏一が登場し、「花は咲く〜アニメスター・バージョン〜」を披露。同曲は東日本大震災に際してNHKが制作した復興支援ソングで、前日に同震災から6年となったが、忘れてはいけないとして選曲された。水樹によれば、とある現場で出演を直談判し、その場でスケジュールを押さえたとのこと。“決まってから、『なか卯』で食べるたびにドキドキしてた“と山寺。声優界のトップランナーふたりによる美しいデュエットに会場は一瞬しんと静まり、歌い終えると堰を切ったような大歓声があふれた。

最新アルバム『NEOGENE CREATION』から「UNLIMITED BEAT」珍しくパンツスタイルに髪をアップにしたワイルドなファッションで披露をし、「めぐり逢うすべてに」では“支えてきてくださった全ての方に愛を込めて”と語った。アンコールで歌った「絶対的幸福論」では、温かくやさしい包容力のある歌声で、会場全体を幸せオーラで包み込んでくれた。水樹は“この瞬間が絶対的幸福。ひとりひとりとハグしたい気持ち”と、目を潤ませながら嬉しそうな表情を見せた。

“日本”をテーマに、さまざまな趣向で楽しませてくれたステージ。いつもの元気いっぱいで、みんなを巻き込みながら背中を押すようなステージとは違い、今回のツアーは、凛とした存在感と心地良い緊張感が印象的だった。彼女の楽曲には、ペンタトニックなど和を感じさせるコードが使われた楽曲や、悲恋を歌った歌詞が多く、日本をテーマにした演出はこうした楽曲との相性抜群。水樹奈々がもともと持っている魅力の一端が、最大限に引き上げられたツアーだったと言えるだろう。
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