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LIVE REPORT

04 Limited Sazabys

『2017.2.11 NIPPON BUDOKAN』

2017年02月11日
@日本武道館

フォーリミが“アリーナバンド”へとついに登り詰めた瞬間を目撃した。その興奮と感動は未だに抜けない。ライヴが進むにつれ、“今回が本当に初の日本武道館公演なの?”と心の中で何度首を傾げたことだろう。それほど完璧なショーを観せてくれた。

「monolith」で始まると、スタンディング形式のアリーナと1階と2階スタンドは早くも沸騰! 4曲目まで突っ走ったあとの“名古屋のライヴハウスからここまで辿り着いた”というGEN(Vo&Ba)のMCからグッときたけれど、それはほんの序章に過ぎなかった。続く「Warp」では外国人男女3人がドライブする光景をスクリーンに流してパーティー感を視覚化し、「knife」においては8本の火柱が上がったり、曲によってはレーザー光線が飛び交う演出も施す。そのどれもが彼らの楽曲世界にうまくマッチしいた。また、RYU-TA(Gu&Cho)、HIROKAZ(Gu)はステージ両サイドにある花道まで貪欲に足を伸ばし、観客にアピールすることも忘れない。

中盤、2008年の結成から今日の日本武道館までの日付がスクリーンに刻まれたあと、GENの透き通るハイトーンを合図に「Buster call」を披露。ここまでの歩みをこの1曲に凝縮したようなエモーションに胸を突かれた。また、ビデオレターが届いたという前フリから、メンバー4人が有名人に変装する映像もあり、特にKOUHEI(Dr&Cho)扮する『魔女の宅急便』主人公・キキに会場は大爆笑。

終盤、“ここで歌うために作った”というバラード風の「eureka」は、日本武道館でより一層魅力を際立たせていた。そして、いろんな人との出会いに感謝し、誰かの気持ちや存在も背負って、自分たちはここに立っている語ったGENだが、耐え切れずに白いTシャツで涙を拭い、「Horizon」をプレイ。まさに地平線を飛び越える怒濤の2ビートパンクを叩き付けると、“みんなのおかげで世界を愛せるようになった”と告げ、次は「Terminal」へ。《最低な世界のまんまじゃ 全然愛せじゃないか》の歌詞とともに切ないメロディーを響かせ、本編ラストの「swim」へつなぐ流れは圧巻だった。演奏の激しさ、メロディーの美しさ、どの要素を切り取っても誰にも負けたくない。そんな彼らの曲作りに対する妥協なき姿勢が、日本武道館という檜舞台で色鮮やかに開花した至高のパフォーマンスだった。

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