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LIVE REPORT

MERRY

『NOnsenSe MARkeT FINAL -最終階-』

2016年02月07日
@EX THEATER ROPPONGI

ピンチをチャンスに変えるとは、こういうことを言うのだろう。アルバム『NOnsenSe MARkeT』を発表して以降、1年続けたツアーの最終日であり、負傷からのリハビリを続けてきたテツ(Ba)が約2年振りにフル参加の完全復活を果たすライヴ。黄色いひよこがドアップになるオープニング映像に、ど真ん中には真っ赤な鳥居と、MERRYらしいナンセンス臭満載のステージには幕開けからテツの姿があり、オーディエンスは大熱狂だ。

しかし、今日の目玉は彼の復活だけではない。「「東京」」に「絶望」とベースフレーズが前に出た曲を序盤から組み込む一方、持ち前のトリッキーなギターフレーズや爆裂ドラミングも炸裂して、アルバムとバンドの進化を存分に証明。最新シングル「平日の女 -A面-」では、彼らの武器である昭和歌謡なサウンドとエモーショナルなグルーブが絶妙に融合して、確かな新境地を感じさせる。一転、ライヴチューンを畳みかけた後半戦の「Midnight Shangrila」では、それまで黙々とプレイしていたテツが突如ベーススタンドを持ち上げ、フロアーギリギリまで前に出る場面も。他メンバーのキレたパフォーマンスを背景に、究極とも言える静と動のメリハリは、新しいMERRYの魅力となる予感すらした。本編ラストの「梟」で雌伏(しふく)からの雄飛を、アンコールの「Happy life」ではオーディエンスへの感謝を誓って、最後は「群青」で大合唱。ファンとMERRYの未来を結ぶ熱い歌声と、2時間半のライヴをやり終えて感極まったテツの“まだまだやれるよ、MERRYは!”という言葉が、苦難を前進への起点に変えた5人の強さを映し出していた。