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LIVE REPORT

グッドモーニングアメリカ

『挑戦 ?七夜』

2015年11月27日
@日本武道館

オープニングは、たなしん(Ba)と孫悟空(声・野沢雅子)の掛け合いMC。さらに、たなしんが見事にバク転を成功させ、“15年間のバンド人生を全部ぶつけます!”と高らかに宣言した瞬間、会場はいきなり大きな感動に包まれてしまった。“挑戦 ?七夜”と名付けられた初の日本武道館公演。この記念すべきライヴでグッドモーニングアメリカは、バンドの軌跡を全て刻み込むような濃密なステージを見せつけた。

「拝啓、ツラツストラ」の勢いに満ちた演奏から始まったライヴは、インディーズ時代、メジャーデビュー以降を含む“現時点でのベスト”というべき構成。パワフルかつ骨太なビートを放ちまくるペギ(Dr)、抜群のエンターテインメント性を発揮しつつ、タイトなプレイで楽曲のボトムを支えるたなしん、エッジの効いたサウンドとカラフルなメロディーを描き出す渡邊幸一(Gu)、そして、いつも以上に張りのあるヴォーカルを響かせる金廣真悟(Vo&Gu)の気合いも(2階席にいても感じられるほど)凄まじい。「そして今宵は語り合おう」の終盤で観客がスマホのライトをかざしたり(たなしんがメンバー3人に仕掛けたドッキリ)、“元祖ファイヤー!”のプロレスラー・大仁田厚が登場し、ふたりでファイヤーしたり、「ディスポップサバイバー」でMVにも登場した力士がダンスを繰り広げるなど大舞台らしい演出もあったが、ライヴの軸になっていたのはあくまでもメンバー自身の存在感だったと思う。

“武道館で歌うために、8年前にメンバーみんなで作った曲です”(金廣)というMCに導かれ、大合唱が生まれた「友よ」からは“全曲がクライマックス”状態に突入。《不安にもなるけれど 弱さに立ち向かおう》という決意を歌ったアップチューン「ファイティングポーズ」、高揚感に今宵今満ちたビートともに“夢見たゴールに進んでいこう”というメッセージが真っ直ぐに伝わってくる「輝く方へ」、メジャー1stシングル「イチ、ニッ、サンでジャンプ」...全ての楽曲にメンバー4人の生き方、価値観、“もっと上に行きたい”という意志が強く反映されていて、だからこそグドモの音楽はこんなにも切実に聴き手の感情を揺さぶるーーそう、日本武道館という大舞台で4人は、自らのスタンスを改めて示してみせたのだと思う。

ライヴ終盤のMCで金廣は動員が思うようにいかなかったことに触れ、“何年かかるか分からないけど、もう1回ここに戻ってきます”とリベンジを誓った。最後の曲は「未来へのスパイラル」。武道館という大きな目標に辿り着いた彼らは、既に新たな未来に向かって進み始めている。この日のステージでメンバーが話していた通り、グッドモーニングアメリカは常に挑戦することを運命付けられたバンドなのだ。