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報われなくて、しんどくて、
懸命な人たちに贈りたいプレゼント。

ロックバンド“忘れらんねえよ”が、2017年6月21日に初のダブルA面シングル『いいひとどまり / スマートなんかなりたくない』をリリース!今回のインタビューには、メンバーの柴田隆浩さんにご登場いただきました。取材場所へ、忘れらんねえよに欠かせない存在である柴犬さん(のパネル)と共に訪れた柴田さん。ライブで汗を飛ばしながら歌い叫んでいるときとは、また異なる静かなアツさで、頑張っているけどうまくいかない人たちの美しさやそういう人たちへ伝えたい思いをじっくりと語ってくださいました。また、歌詞を口にしたら、思わず泣きそうになってしまうほどのミスチル愛、エレカシ愛にも注目です。
(取材・文 / 井出美緒)
いいひとどまり 作詞・作曲:柴田隆浩 広がる空 風に舞う雲
見たことのない君に合う色
きっと見つかるからねえ僕と一緒に探そう
そんな歌をうたいたいけど
まだまだ僕は弱いよな
やりたいこと 投げ出したこと
勇気がなくて逃げ出したこと
まだ間に合うからねえ僕と一緒に探そう
そんな歌をうたいたいから
もう少しだけ強くなるよ

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INTERVIEW
報われなくても一生懸命な
脇役にグッとくる

来年で結成10年目となる“忘れらんねえよ”ですが、結成のきっかけは柴田さんがチャットモンチーさんの動画を観たことだそうですね。当時、何故そんなにも胸を打たれたのでしょうか。

柴田:俺は22歳から28歳くらいまで営業をやっていたんですけど、まぁとにかく向いてなくて(笑)。出世する人ってやっぱりその仕事が好きなんですよね。だから努力も苦じゃないし、ツラいことも乗り越えられるんだと思います。でも俺はそうじゃなかったから、ギリギリのところでミスをするんですよ。「ここは確認せんでもいっかぁ…」って思っていたら事故ったりとか。そういうのがしんどくて、ノイローゼのようになっていたとき出会ったのが、チャットモンチーさんのライブ映像だったんです。もう本ッ当に人間として美しいし、カッコイイし、涙が出て。あー、俺がなりたいのはこの人たちみたいな姿だよなぁって思ったんですよね。

そして2011年にメジャーデビューを果たされてから、着実にファンの方が増えて、ついに今年は日比谷野音でのワンマンも大成功されました。ご自身で感じるバンドの軌跡は右肩上がりですか?それともかなり波がありました?

photo_01です。

柴田:いや、イメージはほぼ平行線です(笑)。遠目で見るとちょーっと角度がついているかなってくらい。ホント、ビューンッ!って売れないんですよ!その間にいろんなバンドが急激にブレイクしていって、アレ…!?みたいな。でも、0.5度くらい右肩上がりになったと思える転機は何度かあったかな。最初が2013年にシングルの「この高鳴りをなんと呼ぶ」をリリースしたときで、下北沢のライブハウスも満員にできなかった俺らが、初めてクアトロをソールドアウトできる規模のバンドになったのは、この曲がきっかけだと思います。

あと2014年には、ドラマ『きょうは会社休みます』でセリフの中に“忘れらんねえよ”というバンド名が登場したりもしましたね!個人的にも嬉しかったです。

柴田:ありましたねぇ!マジでビックリしたなぁ。実は放送の数ヶ月前に連絡は来ていたんですよ。でもその段階ではまだドラマ名も知らされていなくて、日テレさんから「あるドラマのなかで名前が出るんですけどいいですか?」って言ってもらえて、もちろん「全然良いですよ~」って答えたもののすっかり忘れていました。だから放送されたとき「えー!このドラマかいっ!」みたいな。だって福士蒼汰さんと綾瀬はるかさんですよ!?こんな素敵なドラマに“忘れらんねえよ”のような毒薬を入れて良いのかと(笑)。だけどめちゃくちゃ嬉しかったですねぇ。

先ほど「ビューンッ!って売れない」とおっしゃっていましたけれど、もちろん「良い音楽はいつか届く!」と信じる一方で、やっぱり急激に動員数や人気が爆発しないところへの葛藤みたいなものもありますよね。

柴田:ずーっとあるし、今もあるし、これからもあるんだろうなって思います。たしかに半年前くらいまでは「このままいけば大丈夫」って信じていたんだけど、今は「これまでと同じじゃダメでしょ」って気持ちが強くて。絶対に何かが足りないから、ビューンッ!って売れないんですよ。だから殻を破りたいというか、もっとすげぇことをやりたい、成長したいって欲望がありますね。曲作りも今までは、音楽が降りてくるの待ち、みたいな感じだったんですけど、それはナメすぎだなと思って。ちゃんと定期的に曲を書こう、前とは違うものを作ろうって、最近そういうことを意識するようになりました。

その「もっとすげぇことをやりたいって欲望」や見返してやる精神のようなものは、これまでも“忘れらんねえよ”楽曲の大きな原動力になっているような気もします。

柴田:そうそう、でもそういうのがない方がいいのかなぁとも思うんですよね。本当は音楽のことだけを考えて「僕はただ良い楽曲を作るだけです!」って感じでいられれば精神的にも良いだろうし。だけどやっぱり「あのバンドに負けたくねえ。俺らの何が悪いんだ!」って思うときもあるし、どうしても腹が立っちゃうんですよ。なんで俺はこんなにナメられるかね、とか。クッソー覚えとけよ、とか。まぁ俺が勝手にネガティブに思い込んでいるだけかもしれないんですけど(笑)。気持ちは行ったり来たりしますね。

また、柴田さんはこれまで【正々堂々勝負して負け続ける男たちを全肯定したい】というバンドモットーを掲げられていましたが、最近はそれが“男たち”ではなく“すべての人”に変わってきたような感じがありますね。

柴田:あーたしかに!新曲の「いいひとどまり」もまさにそういう歌詞だな。前は、歌いたい相手を限定していたんですよ。モテない男子とか童貞男子を肯定して、イケている奴らを完全否定するみたいな。でも今はもっと人間全体を見たいんですよね。きっと俺が今まで否定してきたイケている人にも、どこかにしんどさってあるんだろうし。だからこれからは、頑張っている人たちみんなの“うまくいかない気持ち”を表現したいし、「こう変わるといいなぁ」って希望まで一つの歌のなかで伝えたいですね。

柴田さんはTwitterでもよく、頑張っている人や何かを真っ直ぐに好きな人、何かが欠けていても一生懸命に生きている人についてツイートなさっていて、人間の美しさのようなものをすごく見ていらっしゃいますよね?

柴田:俺そういう人が大ッ好きなんですよ。すごく好き。自分自身、頑張ってもうまくいかない経験がかなりあるからこそ、誰かがガムシャラに挑戦している姿を見ると、ほっとけなくなるんですよね。間違ってないよって応援したくなる。音楽だけじゃなく、映画とかマンガでもやっぱりそういう人間の美しさを持った作品に感動するし。報われなくても一生懸命な脇役にグッとくるというか。「あ~そりゃお前は主人公にはなれないよなぁ。でもすげぇわかるよ…」って気持ちになります。

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