ある1ページ

いちょうの木の幹に ナイフの刃の先で
名前を彫ったのを 覚えてますか
あなたが怪我をして 小指の傷口に
唇あてたのを 覚えてますか
ぶっきらぼうに 好きかと聞いた
あの時の顔 あの時の声
ただくりかえし うなずいていた
あの時の胸 あの時の愛
あなたがいたから 私は誰にも恥じない
青春を過せた気がします

日暮れのブランコを 二人で向き合って
大きくこいだのを 覚えてますか
あなたのふところに 振り落とされまいと
体をよせたのを 覚えてますか
おこった様に 力をこめた
あの時の腕 あの時の頬
はりついたまま ひとつに溶けた
あの時の息 あの時の愛
あなたがいたから 私は自分に悔いない
青春を過せた気がします

あなたがいたから 私は自分に悔いない
青春を過せた気がします
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