埋まらぬもの/伊達政宗

呑み込んだ
己の息
もはや余喘(よぜん)
心眼(まなこ)は見た…

「……見渡す限りの大軍勢が小田原城を完全に包囲しております」
『これがまことの陣備え。まことの戦』
「…はい。まさに圧巻でございます」

その目に何が見える
その目で何を見た

「…!!っ」

己の在り処
見極める心眼(まなこ)
明白な懸隔(けんかく)

『もう少し早く生まれていれば……』
「…!」

『さすれば、天下が取れたと思うてか』

「…滅相もございません」

埋めたいと
思うだろう?
出遅れた
時間を…

「……」
「……」

隻眼の黒き龍よ
爪も鱗も
染められたのか
敗北の白き衣に…

隻眼の黒き龍よ
見上げることを
諦めたのか
雄飛するはずの空を…

「…なぜ、戦わずに屈した?」

刀抜かぬ戦い方など
刀交えぬ戦い方など
知らない
知りたくない
わかりたくもない

埋めてやる
俺は 俺の
戦い方で…

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