あかり

君と選んだソファの端っこに 一人ぼっちで腰をかけて
日付が変わるのをただ見ていた おめでとうも送れないのに

網戸を抜ける この季節の風が
なんだか妙に好きなのはきっと
君の笑顔が そうたくさん
咲く時期だからなんだろう

君が
僕らの恋を 吹き消したあの瞬間からずっと
明かりのつけ方も忘れたまま 僕は
窓の向こうの 東京の光に また君を探してる

ホールケーキは二人ではとても 食べきれないと学ばないまま
身の丈に合わないほどの愛情 雑に投げつけ合ってた日々

“会えない”じゃなく “会わない”に聞こえて
“寂しい”はただのわがままとなり
君の涙も そうたくさん
この目でみてきたのに

君が
僕らの恋を吹き消したあの瞬間からずっと
思い出は少しも 歳をとらないまま
その美しさ 磨きをかけて 微笑んでる

今頃君は
誰かの前で吹き消して ありがとう なんて
僕に見せてくれていた あの笑顔で
窓の向こうの あかりの一つに なってるかな

君が
僕らの恋を 吹き消したあの瞬間からずっと
僕だけが大人になりきれてないけど
いつか笑って送れるといい
誕生日おめでとう
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