人間賛歌

あなたは今日の事を話すだろうか
数年先の未来で
数年先を想って話した事なんてないけど
枯れた花の名を思い出すだろうか
消毒液の匂いで
何でもない空の下 空の色 手付かずの庭

途中 心の水が空になったら 電話しておいで

大地を削る様な雨と風の間を 藍色のアイロニー
歌おう 人間賛歌
墓石を投げた時の水面の波紋の様に
広がって行くもの
歌おう 人間賛歌

あなた方の言う僕達はいつも
どうでも良い事だらけ
どうでも良い事だって
簡単に捨てた物じゃないのに

それぞれのエンドロールが流れ出すまで
楽しんでおいで

荒野を駆けるような 自由と孤独の間を
退屈なアイボリー 所詮 人間なんて
坂道を真似た本能 時には車輪のように
加速して行くもの 踊ろう 人間賛歌

転がりながら生きただけの
歯牙みつきながら息しただけの
嫉妬しながら愛しただけの
流れ流れながら老いただけの
人間賛歌を歌っている

嘗て裸足で在って 離れ離れにも慣れて
繰り返していくもの それが人間だって

大地を削る様な雨と風の間を
藍色のアイロニー
歌おう 人間賛歌
墓石を投げた時の水面の波紋の様に
広がって行くもの
歌おう 人間賛歌
踊ろう 人間賛歌
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