あくび

目覚めはいつも 藍色
淡いカーテンの その先
揺らいだ光

「まぶしいよ」ときみが言う
寝ぼけたままのまつげ まばたく
ねむいなあ 土曜の朝

泣かないで 通り雨
消えないで 木漏れ日
このまま このまま

ねえ
今日はもうずっと寝転んでいようよ
せまい角部屋で どこにも行かず
それでもう充分だ なにもいらない

昨日煮たスープ 温めて
思いついたジョーク 書きとめる
つないだ記憶

流行りの歌を口ずさむ
覚えたてのメロディはでたらめ
「ひどいなあ」 笑ったきみ

背伸びした 夏草
吹き込んだ そよ風
そのまま そのまま

ねえ
毎朝きっと繰り返し思うよ
隣でまどろむ きみさえいれば
僕はもう充分だ なにもいらない

ねえ
今夜はそっと微笑んで眠るよ
ささいな幸せを この手に抱いて

今日はもうずっと寝転んでいようよ
せまい角部屋で どこにも行かず

今日はもうずっと
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