どうして

花だんの中で 目が覚めた ひんやりした 土のなぐさめ
足早なんて もんじゃない速さで 通り抜けてく いっせーせので

2時間後には電車にのって舞浜 夏休み最後のディズニーランド
ふたりの腕と腕の間に居ると
その時ばかりは自分はまるで 人の中でもかなりいい方に入ったような

喧嘩をしても出かけたい土曜日 呼び出された 11時頃
たった一度も話さないままひたすら目指す秋雨の海

ビーチボールや浮き輪を黙々と膨らます 許さないけど遊びたい
たまらず海の家を駆けずり回り
だけどラーメンも餃子も全く人気が無くて真ん中でにっこり

どうして花を見るように あの時見てくれてたの
どうして見下ろすんじゃなくて しゃがんで見てくれてたの

平和も長く続けば続けば遠く 丈夫に見える 11時頃
ぜいたく 孤独 ほつれを望む 滅多なことをしてみないように

解決するには二人では途方もなく 面倒なことがありすぎて
猫を飼うと言い出した時は
私はどたばた転げ回って 反対 猫を飼うのは絶対止めた方がいい

いつもの調子で待ち合わせた 知らない店 11時頃
ふたつ並んだ貝の耳飾り つるつるの服 ぴかぴかの靴

謎の雰囲気担当大臣 私 いくらでもふざけてみせますよ
もじもじしててうれしそうなだけ
大事なこと言ってくれないのも 承知しましたこちらも何も聞かず

どうしてあの店つぶれないんだろね 人の居る気配もないのに
どうして何度もかけてるのに 市役所つながらないんだろうね

ふたりはすでに仕事に出かけ シーツの皺名付ける
歯ミガキそこに いつものとこに 青い方がちょっと甘いよ
エアコン消して テレビも消して
またね 星 チャオ 星 星 ハート

どうしてひとりにしてくれるの
私は泥棒かもしれないのに
どうしてなにもかものふたを
そのつど閉めてないの

気まぐれなんて一度も無くて
必ず守る約束通り
だらしなくなくて生真面目で立派
綺麗な部屋に差す薄西日
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