君が思い出になる頃

教室の隅一人きり佇んでいるその少女は
窓際照らす光を邪魔そうに小説を読んでて

君の世界に映る僕はおそらく背景みたいなもんだ
だから入り込んでみたくなったシナリオのない物語に

話をしてみたくておどけて近づいてみて
目を合わせてみたんだ
少し照れ笑いを浮かべた君の姿に
ああ僕は落ちやすいのかな時間を止めるように
眩しい光が差し込んだ

ああ騒がしい日々がいま始まろうとしてる
そう意気込んで話をしてみたけど
ああおはようのひとつでも毎日で違うことも
単純じゃないからもっと君を知らなきゃな
何度も何度も前に踏み出した足は
君のとこまで辿りつけなくて

lalala…

あれからどれくらいか経って大人になった君は少し
笑った顔も増えて茶色く巻いた髪が
よく似合う女の子になってた

長く止まってた物語の
エンドロールは君と腕を組む
スタイルもルックスもいい隣の男の
肩に寄り添ってる君を横目で見送った

ああ騒がしい日々なんて枯れることもなかった
僕がヒーローになれるイベントないまま
ああ最後にひとつだけなんてこともないまま
笑う君を背に歩きだした
いつも以上に足音が響きわたっていた
空を見上げ明日の僕を待つ

lalala…
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