酒情話

何処に行ったの 愛しいあんた
私一人を 置き去りに
戻っておくれよ この胸が
あんたの帰りを 待っている

薄いライトの 酒場の隅で
ひとり詫びしや 手酌の酒は
お国訛りに 振り向けば
どこか空似の 面影に
何故か この胸 震えます

私の魂(こころ)に 染み付いたのよ
あんたの生命(いのち)の 癖までも
涙こらえて 呑む酒は
忘れられない 味がする
今日も一人で 情け酒

まぶた閉じれば 倖せ色に
浮かぶあんたの 優しさ強さ
いつか二人で 故郷へ
帰りたいけど 夢の夢
恋しさだけが 空回り
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