よるの向日葵

ぬるい夜の風が あなたの声をかすれさせた
だよね 柄じゃないね 泣いたりするのは卑怯だ

じゃあまたねって逃げて帰った

陽に焼けた肌に 何度も思い知るの
たったひとりで 焦がれてきたのだと
うなだれた猫背に おもわずふれたときに
あなたはあの子を 期待していたの

もしも私だけに ひだまりをくれると言うなら
あとはお水だけで 綺麗な一輪咲かせるわ

今年の夏はいちどきりなのに

棘の無い指で 手を伸ばしてみるけれど
だめみたい たくさんの向日葵にまぎれて
誰にでも変わらず 優しい顔するなら
ねえ お願い 私だけにいじわるしてよ
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