時にはあなたを

時にはあなたを 憎んでみたり
時にはあなたに もたれてみたり
私にもわからないの この恋の港が
何一つ 哀しみの ない窓はないというけれど
見上げれば マンションの こぼれ灯が切ない
あなたには 帰る部屋
私には 待ちわびる部屋
ぬくもりのない時間(とき)を
あなたは知らない
同じ街の 別々の部屋
恋灯り ともして

時にはあなたを 責めてもみたり
時にはわかれに おびえてみたり
朝の駅 すれ違えば 他人のふりでも
ドアを開け 鍵を置き カトレアに水をやるだけの
愛のない暮らしには もう戻れないから
あなたには 帰る部屋
私には 泣き濡れる部屋
千の窓には千の
涙がにじむの
眠りましょう 今夜もまた
別々の 夢見て

眠りましょう 今夜もまた
別々の 夢見て
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